別班になりたい子供のために|糸電話を卒業させるトランシーバーを、電波法まで調べて選んだ

別班になりたい子供のために|糸電話を卒業させるトランシーバーを、電波法まで調べて選んだ 日々の過ごし方

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年に一度しか会わない甥が、今年の誕生日プレゼントにこれをねだってきました。

「耳に入れるトランシーバー」

小学1年生です。別班ごっこにはまっているそうで、会うと「よーう山本〜」と言ってきます。先日はカーテンに隠れて、糸電話で「こちら異常なし」と報告してきました。

糸電話です。

これはもう、本物を買ってあげるしかありません。

ところが調べ始めてすぐ、いくつも引っかかりました。耳だけで完結するトランシーバーは売っていない。技適マークのないものを使うと法律違反になる。そして「5,000円くらいかな」と思っていた相場が、実は足りていない。

この記事は、メーカーの公式ページと電波法の条文を実際に読んで調べた記録です。同じように「子どもにトランシーバーを買ってあげたい」と思った方の、遠回りを減らせたらと思います。


別班になりたい子供がトランシーバーを欲しがったら、まず何を確認する?

子供用トランシーバーは、技適マーク・耳のイヤホン・2台そろっているかの3つを確かめる

確認することは3つです。技適マークがあるか、耳のイヤホンが付いてくるか、2台そろっているか。この3つを外すと、買ったのに遊べません。

順番に説明します。とくに1つ目は法律の話なので、知らずに買うと困ったことになります。

そして意外と見落とされるのが3つ目です。トランシーバーは1台では遊べません。 当たり前のようですが、通販では1台売りのページも普通に並んでいます。相手がいて初めて成立する道具なので、2台セットを買うのが前提になります。


耳に入れるトランシーバーは売っている?単体では見つからなかった

「耳に入れるだけで通話できる無線機」は、技適つきでスマホも要らないものとなると、見つかりませんでした。 現実にあるのは「本体はポケットか腰、耳には本体から伸びるイヤホンマイク」という組み合わせです。

理由は単純で、電波を飛ばすにはアンテナが要るからです。無線機用のイヤホンマイクは有線が主流で、どれも本体とセットで売られています。

これだけ読むと「じゃあ別班っぽくならないじゃないか」と思いますよね。私も最初そう思いました。でも、そうでもないのです。

耳に引っかけるイヤホンマイクを着けて、本体を服の下に隠せば、見た目はほぼあれになります。 子どもが欲しいのは「耳のパーツ」というより「耳に何か着けて小声で話す状態」なので、ここは十分に満たせます。

スマホと組み合わせるタイプは、小1には向かない

完全ワイヤレスのイヤホン型で「トランシーバー」と名乗る製品もあります。ただしこれらはスマホとアプリが必要で、通信もインターネット経由です。小学1年生にスマホを持たせる前提になるので、今回は外しました。


子供用トランシーバーに免許はいる?条件つきで不要

特定小電力トランシーバーなら、免許も申請も要りません。買ってすぐ使えます。ただし「技適マークのある機械であること」が条件です。

ここは感覚で書きたくなかったので、条文を読みました。

電波法の第四条には、こう書いてあります※1。

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次に掲げる無線局については、この限りでない。一 発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの三 空中線電力が一ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであつて、(中略)適合表示無線設備のみを使用するもの

この「適合表示無線設備」というのが、いわゆる技適マークのついた機械のことです。

つまり、免許が要らないのは「技適マークのある機械だけを使うとき」という書き方になっています。免許不要という言葉だけが独り歩きしていますが、条文では技適とセットです。


技適マークが無いトランシーバーを使うとどうなる?罰則があります

技適マークのない無線機を使うと、免許なしで無線局を開設したことになり、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。

同じく電波法、第百十条です※1。

次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。一 第四条の規定による免許(中略)がないのに、無線局を開設したとき。

通販サイトには、技適のない海外製の無線機も並んでいます。「免許不要」と書いてあることと、技適マークがあることは別なので、商品ページで技適の記載を探してください。

信頼できるメーカーは、番号まで出している

ここで1つ、選ぶときの物差しをお伝えします。

「技適マークあり」とだけ書く製品より、技適の番号まで書いてある製品のほうが安心です。 これから紹介するBC-21は、公式ページに011-250059と番号が出ています※2。番号が分かれば、総務省の検索で照合できます。


子供用トランシーバーの相場はいくら?本体だけなら5,000円、耳までなら8,000円

BC-22DEMYは4,980円だが耳のイヤホン2本を足すと8,340円、BC-21は耳のイヤホン付きで7,580円

本体2台だけなら3,000〜5,000円が相場です。ただし耳に着けるイヤホンマイクを2人ぶん足すと、7,000〜8,000円になります。 私は「5,000円くらいかな」と思っていたので、ここで考えを変えることになりました。

実際の値段を並べます。すべてメーカーの公式直販サイトの価格です。

構成 価格 耳のイヤホン
BC-22DEMY 2台セット 4,980円※3 付いてこない
耳掛けイヤホンマイク(別売・1本) 1,680円※4 ―
上の2つを2人ぶんそろえると 8,340円 2本
BC-21 2台セット 7,580円※4 2本付いてくる

計算するとこうなります。4,980 + 1,680 × 2 = 8,340円。

安いほうを選んで耳のイヤホンを足すと、むしろ高くなります。

この表を作ったとき、予算の考え方が決まりました。「耳に着けて遊ぶ」が目的なら、最初からイヤホンマイクが付いている機種を選ぶほうが、結果的に安くなります。

なぜ耳のイヤホンがそんなにするのか

イヤホンマイクが1本1,680円というのは、音楽用のイヤホンの感覚だと高く感じます。ただしこれはマイクと送信ボタンが一体になった部品で、無線機の規格に合わせて作られています。音楽用のイヤホンを挿しても、しゃべることはできません。


小学1年生に合うトランシーバーはどれ?BC-21を選びました

私が選んだのは、BLUE CENTURY(株式会社コンパス)のBC-21、2台セット7,580円です。決め手は「ボタンを押さずに話せる」ことでした。

メーカー公式ページの仕様です※2。

項目 内容
セット内容 本体2台、耳掛けイヤホンマイク2本、ベルトクリップ2本
価格 7,580円(公式直販の2台セット)※4
技適番号 011-250059
重さ・大きさ 約83g/全高約150mm(本体103mm+アンテナ47mm)
電源 単3乾電池3本で約45時間
通信距離 市街地 約100〜200m/見通しの良い郊外 約1km
ハンズフリー(VOX) あり
チャンネル 20ch(グループモード対応)
注意 防水・防塵なし/同時通話はできず1人ずつ

決め手は「VOX」でした

VOXというのは、ボタンを押さなくても、声を出せば自動で送信される機能です。無線機は本来、話すあいだボタンを押し続けます。これが小学1年生には難しいのです。

押し忘れて相手に届かない。話し終わって離すのを忘れる。そのたびに遊びが止まります。VOXがあれば、カーテンの裏からそのまま「こちら異常なし」と言うだけで届きます。

安いほうを選ぶと、VOXが使えなくなる

ここは調べていていちばん驚いた点です。

同じメーカーの安いBC-22DEMYにもVOX機能はあります。ところが公式ページには、VOXが使えるのはBC-21用のイヤホンマイクだけで、別売の耳掛けイヤホンでは使えないと書かれています※3。

つまり「安いほうを買って耳のイヤホンを足す」という道を選ぶと、高くなるうえに、いちばん効く機能が使えなくなります。

★ 値段のまちがいに気をつけてください

ランキングサイトではBC-21が15,060円と出ていることがあります。これは4台セット(2箱)の値段です※4。2台セットは7,580円です。倍の値段で買わないようにしてください。


トランシーバーの通信距離はどこまで届く?カタログの数字は当てになりません

特定小電力トランシーバーの出力は10ミリワットです。実際に届くのは、市街地で100〜200メートルほどです。通販に出ている「5km」「最大33km」といった数字は、現実の目安になりません。

BC-21のメーカーは、公式ページに正直に書いています※2。

市街地 約100〜200m、見通しの良い郊外・山頂など 約1km

一方で、ランキングサイトに載っている製品には「通信距離10,000m」「最大33km」と書かれているものがあります※5。どれも同じ10ミリワットです。 ランキングを作っている側も、同じ製品の表記が一致していないと注記しています。

10ミリワットというのは、豆電球よりはるかに小さい電力です。家の中や近所の公園で遊ぶぶんには十分ですが、数字の大きさで選ばないでください。

同時に話せないのは、欠点ではありません

もう1つ、買う前に知っておくとよいことがあります。無線機は1人ずつしか話せません。 電話のようにかぶせて話すことはできません。

これは技術的な制限ですが、別班ごっこにはむしろ向いています。 「どうぞ」「了解」と言い合う間が生まれるからです。糸電話で「こちら異常なし」と報告してくる子には、たぶんこちらのほうが楽しいはずです。


買ってあげる前に、親に確認しておきたいこと

年に一度しか会わない相手に贈るものなので、渡したあとのことを考えておきます。確認したいのは、電池・置き場所・耳の使い方の3つです。

  • 電池:BC-21は単3乾電池3本を2台ぶん、つまり6本使います。充電池と充電器は別売です。最初の電池は一緒に渡したほうが親切です
  • 防水ではありません:外で遊ぶときは、雨に注意が必要です
  • 耳のイヤホン:耳掛け型なので、耳の穴に突っ込むタイプではありません。小さい子でも取り外しやすい形です。ただし長時間の使用や音量については、親御さんに一声かけておくと安心です

私は、買ってもらえなかった側でした

最後に、私事を少しだけ書かせてください。

私が子どものころはナイトライダーごっこをしていました。腕に紙で作った輪っかを巻いて、「キット!すぐ来てくれ!」とやっていたわけです。

買ってもらえなかったので、なんでも自作しました。 紙の輪っかは、そういう経緯でできたものです。

だから甥がカーテンの裏で糸電話を握っているのを見たとき、妙に納得したのだと思います。道具が無ければ作る。 それ自体はとても良いことです。

ただ、今回は買ってあげられる側にいます。7,580円で、糸電話が本物になります。 予算は5,000円のつもりでしたが、2,600円足すだけで「耳に着けて、ボタンを押さずに話せる」ところまで届くなら、足す価値はあると判断しました。

まとめ

耳だけの無線機は無く、技適マークのある機種を選び、耳まで入れると7,000〜8,000円、小さい子にはVOXが効く
別班になりたい子供のトランシーバー選び。技適マーク・耳のイヤホン・2台・VOXを確かめ、BC-21の2台セット7,580円にした
  • 耳だけで完結する無線機は売っていない。本体+耳掛けイヤホンマイクが現実解
  • 技適マークのある機種を選ぶ。無いものを使うと電波法違反になる※1
  • 相場は本体2台で3,000〜5,000円。耳のイヤホンまで入れると7,000〜8,000円
  • 小さい子にはVOX(ボタンを押さずに話せる機能)が効く
  • カタログの「5km」は当てにしない。実際は市街地で100〜200m

価格と仕様は変わることがあります。買う前には、メーカーの公式ページでご確認ください。

出典

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