私はモバイルSuicaを、オートチャージで月15回くらい使っています。
クレジットカードはビューカードだけです。作った理由ははっきりしていて、JRE POINTで新幹線をお得に乗るためです。新幹線には年に2〜4回乗って、そのうち年1回はポイントで乗っています。
その私が、2026年10月20日に始まったJR東日本の新しいコード決済「teppay」のニュースを見て、最初は「乗り換えようかな」と思いました。
でも調べていくうちに、こう思いはじめました。
teppayにしようと思ったけど、思ったよりメリット少ないのかも。
この記事は、その「思ったより少ないのかも」が正しいのかどうかを、公式サイトと公式のよくある質問(FAQ)を実際に開いて確かめた記録です。まとめ記事ではなく、JR東日本が自分で書いている文章を読みました。
結論を先に書きます。teppayを普段づかいの支払いに乗り換える理由は、私にはありませんでした。 ただし「ここだけは使う」という場面が3つあります。
teppayとは?モバイルSuicaの中に入った「大きな財布」
teppayは、JR東日本が2026年10月20日に始めたQRコード決済です。新しいアプリは入れません。いま使っているモバイルSuicaアプリの中に入っています。 PayPayや楽天ペイと同じで、お店でスマホの画面にコードを出して払います。
ここが私にはいちばん分かりにくかったところなのですが、teppayの残高と、Suicaの残高は別物です。
公式サイトにはこう書いてあります※1。
teppay残高のままでは鉄道やバスをご利用できません。必ず交通系IC残高へチャージしてご乗車ください。
つまりteppayは、電車に乗るためのものではありません。Suicaの手前にある、もう1つの財布です。そこからSuicaへ移して、はじめて改札を通れます。
残高の上限が、Suicaとまるで違う
| モバイルSuica(交通系IC残高) | teppay残高 | |
|---|---|---|
| 残高の上限 | 2万円 | 最大30万円※1 |
| 電車・バスに乗れるか | 乗れる | 乗れない(Suicaへ移す) |
| 払い方 | タッチ | コードを見せる・読む |
| 人に残高を渡せるか | できない | できる※1 |
この「2万円と30万円」の差が、teppayがわざわざ作られた理由です。
teppayのメリットは?Suicaの「2万円の壁」がなくなる
teppayの最大のメリットは、モバイルSuicaの2万円という上限を超えて、最大30万円まで払えることです。 Suicaでは金額が足りずに払えなかった買い物が、同じJR東日本の仕組みの中で払えるようになります。
私にも、まさにこの経験があります。家電が買えないのです。
Suicaの残高は2万円までしか入らないので、家電のようなまとまった買い物は、結局クレジットカードで払っています。レジでSuicaを出す選択肢が、最初から無いわけです。
これだけ読むと「じゃあteppayに乗り換えればいいじゃないか」と思いますよね。私もそう思いました。ここから先が、調べて分かった本題です。
残高を人に送れるのは、地味に効く
もう1つ、Suicaにできないことがteppayにはあります。残高を人に送れることです※1。
受け取った側は、それを交通系IC残高へチャージできます。つまり「交通費をスマホで渡す」ができます。子どもや家族に現金を渡さずに済むのは、分かりやすい利点です。
teppayポイントは1ポイント1円?貯まり方は「200円ごとに1ポイント」
teppayポイントは1ポイント=1円相当です。これは公式サイトに明記されています。ただし貯まり方は「200円ごとに1ポイント」で、200円未満は切り捨てです。
公式のポイント説明ページには、こう書かれています※2。
teppayポイントは「1ポイント=1円相当」として teppay残高でのお支払い時に1ポイントからご利用いただけます。
貯まる率は、公式サイト本体ではなく公式のよくある質問のほうに書いてありました※3。
・teppay残高でのお支払い:決済額200円ごとに1ポイント付与※ポイントの反映まで、ご利用から1週間程度かかります。
200円で1ポイントなので0.5%です。ただし切り捨てなので、実際はもう少し下がります。
| 買った額 | たまるポイント | 実際の率 |
|---|---|---|
| 199円 | 0ポイント | 0% |
| 500円 | 2ポイント | 0.4% |
| 1,000円 | 5ポイント | 0.5% |
貯まらない買い物がある
さらに、公式ページにはこう書いてあります※2。
teppay残高での交通系IC残高チャージ、モバイル定期券・Suicaグリーン券・おトクなきっぷの購入はteppayポイントはたまりません。
Suicaにチャージするためにteppayを使っても、ポイントは1つも付きません。 私のように「Suicaに入れるお金の入口」として考えていた人は、ここで一度立ち止まることになります。
teppayポイントはJRE POINTに交換できる?できるが、条件がある

teppayポイントはJRE POINTに交換できます。ただし交換できるのは「通常ポイント」だけで、キャンペーンでもらう「期間限定ポイント」は交換できません。
公式サイトの原文です※2。
連携ポイントと交換ができるのは通常ポイントのみとなります。(期間限定ポイントは交換できません)
そしてもう1つ、公式のよくある質問に、はっきりした答えがありました※4。
JRE POINTからteppayにチャージ(入金)することはできません。
つまり交換は一方通行です。 teppayポイントからJRE POINTへは行けますが、逆には戻れません。
私はこの2つを読んで、teppayポイントの位置づけが腑に落ちました。teppayポイントは、JRE POINTの1段下流にあるポイントです。 わざわざ下流で貯めてから上流へ移すより、最初から上流で貯まる払い方を選ぶほうが素直です。
交換のレートは、公式に書いていない
ここは正直に書きます。teppayポイントをJRE POINTに替えるときの「何ポイントが何ポイントになるか」は、公式サイトに書かれていません。
公式の交換手順のページを読むと、手順の中で「交換先のポイント数」を画面で確かめてから交換する形になっています※5。レート・交換単位・手数料の記載はありません。
「調べても分からない」のではなく、「交換画面で見るまで分からない」というのが、いまの正しい答えです。
teppayの還元率は?残高払いとビューカード連携払いで倍ちがう

teppayには払い方が2つあり、貯まるポイントも率も違います。残高払いは0.5%のteppayポイント、ビューカード連携支払いは1%のJRE POINTです。
公式のよくある質問には、こう書かれています※6。
ビューカード連携支払いでは、通常のお支払いに対してteppayポイントではなく、JRE POINTが貯まります。
ただし率の数字は、公式サイトにも公式FAQにも書かれていませんでした。 「1%」は報道が伝えている数字です※7。公式が数字を出していない点は、そのままお伝えしておきます。
そして、この2つは混ぜられません※2。
teppay残高、teppayポイント、バリチケ、商品券はビューカード連携支払いと併用できません。
私はビューカードしか持っていないので、teppayを使うなら連携支払い一択です。そしてその場合、貯まるのは最初からJRE POINTです。 teppayポイントは出てきません。
JRE POINTのほうが、1ポイントの値打ちが大きい
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
teppayポイントは、どう使っても1ポイント=1円です。ところがJRE POINTは、使い道によって1ポイントが1円を超えます。
JRE POINTの公式サイトを読むと、Suicaへのチャージはこうなっています※8。
1ポイント=1円として、1ポイント単位でSuicaにチャージが可能です。(1回の申請は10,000ポイントまでが上限です)
一方、普通列車のグリーン券はこうです※9。
交換に必要なポイント数は1枚あたり400ポイント〜600ポイントです。ステージごとに交換ポイントが異なります。
ここで「へえ」と言ってしまいました。固定ではなく、ステージ制だったのです。 よく使う人ほど、少ないポイントでグリーン車に乗れます。私は「一律600ポイント」だと思い込んでいたので、これは完全な勘違いでした。
グリーン券の値段は区間によりますが、1,000円を超えることはめずらしくありません。それが400〜600ポイントで買えるなら、1ポイントの値打ちは1円をはっきり超えます。
私が年1回、ポイントで新幹線に乗っているのは、まさにこの「1ポイントが1円以上になる」使い方です。
teppayの20%還元キャンペーンは得?5,000ポイントの落とし穴
2026年11月4日から12月25日まで、エントリーして税込500円以上をteppayで払うと20%が返ってきます。上限は5,000ポイントです。ただしこの5,000ポイントは「期間限定ポイント」なので、JRE POINTには交換できません。
公式のキャンペーンページによると、条件はこうです※10。
- 期間:2026年11月4日(水)〜12月25日(金)
- エントリーが必要。払う前にエントリーしておくこと
- 税込500円以上のteppayコード決済が対象
- 還元:利用額の20%をteppayポイント(期間限定)で
- 上限:1人5,000ポイント
- 付与:決済完了から7営業日後
- 予算上限に達すると、期間中でも予告なく早期終了
上限5,000ポイントということは、25,000円の決済で上限に届きます(5,000 ÷ 0.2 = 25,000)。
普段づかいと比べると、40倍の差がある

同じ5,000ポイントを、普段の0.5%で貯めようとすると、いくら使うことになるか。
5,000 ÷ 0.005 = 1,000,000円です。
100万円と2万5千円。同じ5,000ポイントなのに、必要な金額が40倍ちがいます。
この計算をしたとき、私の中でteppayの位置づけが決まりました。これは「普段の支払いを乗り換える相手」ではなく、「キャンペーンのときだけ出す道具」です。
そして、その5,000ポイントは新幹線にならない
さらに大事な点です。20%還元でもらえるのは期間限定ポイントなので、先ほどの公式の文章どおり、JRE POINTには交換できません※2。
JRE POINT側も同じ線を引いています。Suicaへのチャージも、グリーン券への交換も、通常ポイントだけが対象です※8※9。
つまりあの5,000ポイントは、teppayが使えるお店での買い物に使い切るしかありません。 新幹線にもグリーン車にもなりません。しかも期限切れで自動的に消えます※11。
なお、teppayの「通常ポイント」のほうには有効期限がありません。退会するとすべて失効します※11。
JRE BANKとteppayをつなぐと何がもらえる?4割引券が1枚
teppayのチャージ元にJRE BANKを設定し、ビューカード連携支払いを1回以上すると、JR東日本の4割引の優待割引券が1枚もらえます。期間は2026年11月4日から2027年3月25日までです。
条件は4つ全部必要です※12。
- JRE BANK口座を開設し、JRE POINTのリンク登録を済ませる
- teppayのチャージ用の金融機関に、JRE BANKを設定する
- 判定日の時点で、円普通預金が10万円以上ある
- 期間中にビューカード連携支払いを1回以上する
もらえるのはJR東日本営業路線内の片道の運賃・料金が4割引になる券を1枚。受け取りは2027年6月上旬の予定で、有効期限は2027年8月31日です。
私はJRE BANKを作るかどうか、ずっと迷っています。新幹線に年2〜4回乗る私にとって、4割引券の価値は小さくありません。ただし10万円を置いておく必要があるので、そこは家計の判断になります。
そして、ここが大事なところです。この特典はteppayのポイントとは関係ありません。 JRE BANKとビューカードの組み合わせでもらえるものです。teppayは「1回払うだけ」の入口として出てくるにすぎません。
結局teppayは使うべき?私の結論は「3つの場面だけ」
普段の支払いをteppayに乗り換える理由は、私にはありませんでした。ただし次の3つの場面では使います。
私はPayPayも楽天ペイも使っています。コード決済はもう足りています。そこにteppayを足す理由があるとしたら、Suicaにできないことをしてくれるときだけです。
① 2万円を超える買い物をするとき
Suicaの2万円の壁がある以上、家電のようなまとまった買い物では、teppayのほうが選択肢になります。最大30万円まで払えるのは、Suicaにはできないことです※1。
② 11月4日から12月25日までの、25,000円ぶんだけ
20%還元の上限が5,000ポイントなので、25,000円ぶんだけteppayで払って、あとは普段どおりでいいと考えています。予算上限で早期終了する可能性があるので、始まってすぐのほうが確実です※10。
ただし繰り返しになりますが、そこでもらう5,000ポイントは新幹線になりません。 teppayが使えるお店の買い物に充てる前提で考えます。
③ 残高を人に送るとき
交通費を渡す用事があるときは、teppayが向いています※1。
私がしないと決めたこと
- オートチャージをやめてteppayに乗り換えること。 私は月15回オートチャージしています。これをteppayに替えると、0.5%のteppayポイント(1ポイント1円)になります。いまのまま、JRE POINTで貯めるほうが使い道が広いです
- teppay残高払いでポイントを貯めること。 ビューカードを持っているなら、連携支払いにすれば最初からJRE POINTです
まとめ


teppayは「ポイントを貯める道具」としては弱いです。本当の価値はポイントではなく、2万円の壁をなくしたことと、残高を人に送れることと、いま出ているキャンペーンです。
「思ったよりメリット少ないのかも」という最初の感覚は、調べた結果、おおむね当たっていました。 ただし「メリットがない」わけではなく、使いどころが限られているというのが、より正確な言い方だと思います。
この記事に書いた数字と引用は、すべてJR東日本とJRE POINTの公式ページ・公式のよくある質問から取りました。キャンペーンの条件は変わることがあるので、申し込む前には公式ページをご確認ください。
出典
- ※1 teppayについて(JR東日本・teppay公式サイト)
- ※2 teppayポイント(JR東日本・teppay公式サイト)
- ※3 teppayポイントの付与率を知りたい。(teppay公式 よくあるご質問)
- ※4 JRE POINTからteppayにチャージしたい。(teppay公式 よくあるご質問)
- ※5 teppayポイントを交換する(JR東日本・teppay公式サイト)
- ※6 ビューカード連携支払いを利用した場合、teppayポイントとJRE POINTの両方が貯まるか知りたい。(teppay公式 よくあるご質問)
- ※7 JR東日本のコード決済「teppay」10月20日開始、最大20%還元も(ケータイ Watch)
- ※8 JRE POINTをためる・つかう(JRE POINT公式サイト)
- ※9 (JRE POINT用)Suicaグリーン券への交換で使う(JRE POINT公式サイト)
- ※10 みんなでteppay!20%ポイント還元キャンペーン(JR東日本・teppay公式サイト)
- ※11 teppayポイントが消失した。(teppay公式 よくあるご質問)
- ※12 teppay キャンペーン一覧(JR東日本・teppay公式サイト)

