プレミアムの内訳とは?本質的価値と時間的価値をマンションの例えで理解する
Day2でタイムディケイ、Day3でITM/ATM/OTM、Day4でLEAPSの定義を学びました。今日はそれらを数字で結びつけます。
あなた:今日はプレミアムの内訳について教えてください。
師匠:いつものマンション予約の例えで考えましょう。あるマンションの今の時価は1200万円。あなたは「1000万円でこのマンションを買える予約権」を持っているとします。
今すぐこの予約権を使ったら、1000万円で買って1200万円の価値のものが手に入るので、差額の200万円が今すぐ得する分です。これが「本質的価値」です。
でも、この予約権を今売ろうとしたら、実際には200万円ちょうどでは売れません。たとえば250万円くらいで売れるはずです。まだ予約の期限が先まで残っていて、その間にマンションがもっと値上がりするかもしれない「可能性」にも値段がつくからです。この上乗せ分の50万円が「時間的価値」です。
プレミアムの計算式と「マイナスにならない」仕組み
- プレミアム(オプションの価格)= 本質的価値 + 時間的価値
- 本質的価値:今すぐ権利行使したら得する金額。ITMのときだけプラスの値を持ち、ATM・OTMではゼロ
- コールオプションの場合:本質的価値 = max(株価 − 権利行使価格, 0)
- 時間的価値:プレミアムから本質的価値を引いた残り
あなた:この式が何を表すかがわかりません。
師匠:max(A, B) は「AとBのうち、大きい方を採用する」という意味です。株価1500万円・権利行使価格1200万円なら、1500−1200=300万円というプラスの数字が出ます。「300」と「0」を比べると300の方が大きいので、本質的価値は300万円です。
逆に権利行使価格が1600万円だったら、1500−1600=−100万円。「−100」と「0」を比べると、0の方が大きいので、本質的価値は0円になります。Day3で学んだ「OTMの本質的価値はゼロで、マイナスにはならない」というルールを、数式で表現するとこのmax(...,0)になるわけです。株価が権利行使価格を上回っていればその差額を、下回っていたら強制的にゼロにする、いわば「マイナスを許さないスイッチ」です。
計算例|ITMとOTMの違い
| 計算式 | 結果 | |
|---|---|---|
| ITM(株価1500万円、権利行使価格1200万円) | max(1500−1200, 0) | 本質的価値300万円 |
| OTM(株価1500万円、権利行使価格1600万円) | max(1500−1600, 0) | 本質的価値0円(時間的価値のみ) |
時間的価値がどう決まるかは、この後Day6(IV)・Day8(セータ)・Day9(ベガ)で、1つずつ要因を分解していきます。今日はまず「プレミアムは2つの部分でできている」という土台だけ、しっかり押さえてください。
オプション価格の仕組みを、紙ヒコーキを飛ばす実験にたとえて一冊まるごと解説しているのが、吉本佳生さんの投資リスクとのつきあい方 下 紙ヒコーキで学ぶオプション取引です。今日の本質的価値・時間的価値の感覚を、日経225オプションの実例でさらに掴みたい方向けの一冊です。
まとめ|プレミアムの理解度チェック
師匠:3問、答えてみてください。
- プレミアムは何と何の合計ですか?
- 株価2000円、権利行使価格1700円のコールオプションで、プレミアムが400円のとき、本質的価値と時間的価値はそれぞれいくらですか?
- OTMのオプションのプレミアムは、本質的価値と時間的価値のどちらが全額を占めますか?
あなた:1. 本質的価値と時間的価値2. 本質的価値300円、時間的価値100円3. 時間的価値
師匠:3問とも正解です。本質的価値=max(2000−1700, 0)=300円、時間的価値=400−300=100円。計算もぴったり合っています。
これで項目5「プレミアムの内訳」は完了です。次回は項目6「インプライド・ボラティリティ(IV)の基本」を学びます。
(※この記事は個人の学習記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません)
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