【H×H考察】カキン王室の歪んだ血縁関係。同じ母親なのに兄弟の顔が全く違う理由を歴史から読み解く

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2026年6月から2年ぶりに連載再開したハンター×ハンター。前回の記事では、王位継承戦の過酷なルールと、第1王子ベンジャミンが持つ圧倒的なチート特権について解説しました。

第3回となる今回は、本作の裏のメインテーマとも言えるカキン王室のドロドロすぎる「血縁の闇」に切り込みます。

当時、連載を読んでいて、「第3王子チョウライと第7王子ルズールスって、なんで後ろ盾のマフィアのボスに顔がソックリなんだろう?」「同じ母親から生まれたはずのベンジャミンとツェリードニヒ、カミーラとツベッパが、見た目も性格も違いすぎるのはなぜ?」と違和感を抱いていました。

実はそこには、現実世界の歴史や日本の皇室のあり方をも痛烈に皮肉ったような、カキン王国の恐ろしいシステムが隠されていました。ネットでも大盛況の「ナスビ国王・種無し説」も含めて、徹底考察します!


カキン王室最大の禁忌:お腹(母親の身分)さえ本物なら「誰の種でも王子」

結論から言うと、カキン王国には「正妻(王妃)が産んだ子供であれば、血が繋がっていなくても全員『国王の子(王子)』として公的に登録される」という、極めて歪んだ制度が存在します。

作中では、裏社会を牛耳る「三大マフィア」が登場しますが、実はその組長たちは国王ナスビの異母兄弟(王位を継げなかった『二線者』と呼ばれる者たち)です。

  • シュウ=ウ一家(組長オニオール) = 第3王子チョウライの実父(チョウライ本人が「父さん」と呼んでいる)
  • シャ=ア一家(組長ブロッコ=リー) = 第7王子ルズールスの実父(顔がそっくりなので恐らく)

オニオールやブロッコ=リーは、自分が密通した王妃が産んだ子供を、カキンの法律を利用して「国王ナスビの子(王子)」として王宮へ送り込みました。見た目がナスビ国王ではなくマフィアのボスにソックリなのは、彼らが本当の父親だからと思われます。

国王ナスビもそれを承知の上で、「誰の血が混ざろうが、壺の儀式(蠱毒)で生き残った唯一の一人が次の一族の長(王)になればそれでいい」と容認しています。この狂気的な合理主義こそが、カキン王室の恐ろしさです。


現実の歴史から読み解く、父親が違う2つの有力な仮説

なぜ、このような「王妃の浮気・密通」が宮廷内で平然と行われているのでしょうか?現実の歴史(大奥や後宮)のシステムや、権力闘争の背景から考えると、2つの非常に説得力のある仮説が浮かび上がります。

仮説①:ナスビ国王「種無し(不妊)」カバーのための血のスペアシステム

日本の歴史で言えば豊臣秀吉のように、もし国王ナスビ=ホイコーロが不妊症、あるいは年齢的に生殖能力が衰えている場合、ホイコーロ一族の血を引く「次の王」を絶やさないために、あえて自分の異母兄弟(マフィアのボスたち)を「種馬」として王妃たちに提供しているという宮廷ぐるみのシステムです。ただ、第14王子ワブルの母、オイト王妃がクラピカから尋ねられた時のリアクションを見る限り、ワブルはナスビ国王とオイト王妃の子のようではあります。

また、エイ=イ一家の組長モレナはナスビ国王と愛人の子のようなので、この仮説は成り立たない可能性は高いです。

現実の歴史でも、王に子ができない場合は国が滅ぶ危機(お家断絶)になるため、裏で血縁の近い身内の種を使うことは密かに行われてきました。ナスビの兄弟の子であれば血統的にはほぼ同じ。次代の王を決める「壺の儀式」さえ発動すれば誰の子でも構わない、という割り切りです。

仮説②:冷遇された王妃たちの生存戦略(政略結婚の末路)

カキン王国は一夫多妻制です。王妃の中には、政略結婚で無理やり嫁がされたもののナスビ国王には一切興味を持たれない(=抱いてもらえない)王妃もいる可能性があります。

そこで冷遇された王妃たちは生存戦略として、裏社会のトップであり、かつ王室の血も引いているマフィアのボスたちと結託したのではないでしょうか。

  • 王妃側のメリット:マフィアの莫大な資金と裏の兵力を手に入れ、自分の子供を守れる。
  • マフィア側のメリット:自分の血を引く子供が「王子」になれば、将来カキン王国を裏から完全支配できる。

現実のヨーロッパ宮廷(フランスやロシアなど)でも、冷遇された王妃が強力な貴族の愛人を作り、その間にできた子を「王の子」として育てるケースは多々ありました。ベンジャミンとツェリードニヒ(同じ母ウンマ)、カミーラとツベッパ(同じ母ドゥアズル)の顔や性格が全く似ていないのも、裏で別の男の血が入っているからではないか……という推測ができます。

そして、2026年7月3日発売の単行本39巻では、カキンの軍隊にはビヨンド・ネテロの子供が多数いることが明かされます。そして、ビヨンドの子は王子の中にもいる様子。生まれながらに念能力を持っているものの、顔は似ているわけではないと思われます。誰なんだろう。


冨樫先生が描く「男系・女系の皮肉」と権力闘争

このカキンのシステムを俯瞰して見ると、冨樫先生が「現実世界の、男系血統への過剰なこだわりに対する痛烈な皮肉や揶揄」を暗に描いているようにも思えてきます。

一般的に、王室や皇室の歴史では「父親の血(男系)」が重視されますが、カキン王国では真逆です。「お腹(母親の血統・身分)さえ正統であれば、種(父親)が誰であれ、国を統べる『器』になれる」という強烈な割り切り方をしています。

そして結果的に、「その正統なお腹(王妃の身分)」を巡って、裏で男たち(マフィアや王子たち)がドロドロに揉め、殺し合うという人間の醜い権力闘争のシステムが完成しています。人間の歴史のパロディとして、これ以上ないほど皮肉で面白い設定と言えます。


第3回まとめ:マフィアが王子を命がけで守る理由

ここまでの血縁の闇を理解すると、36巻以降で描かれる「マフィアの抗争」の見え方がガラリと変わります。

  • なぜマフィアは、特定の王子をバックアップしているのか?
  • なぜエイ=イ一家の組長モレナ(ナスビの婚外子・二線者)は、王室すべてを憎み、船内で大暴走を始めたのか?

それは、彼らにとってこの王位継承戦が、単なる「王室の行事」ではなく、自分たちの血族の生き残りと、カキン王国を裏から支配するための「本気の戦争」だからです。

次回は、この血縁の因縁を引きずったまま突入する、「三大マフィアの抗争」と、そこに割り込む「幻影旅団」の不気味な動きについて解説します。

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