なぜLEAPSは深いITMが定石?本質的価値とタイムディケイの関係を解説

なぜLEAPSは深いITMが定石?SOFIの実例で比較する

Day3で「LEAPSでは深いITMを選ぶのが定石とされる(【推測】確信度:中)」と保留にしていた論点を、ここまで学んだデルタ・セータ・ベガの知識で検証します。

あなた:今日は深いITMがなぜ定石なのか教えてください。

師匠:2028年6月16日満期のSOFIコールオプションを、権利行使価格違いで3つ並べてみましょう(株価は約15.58ドル)。

権利行使価格 状態 デルタ プレミアム(アスク) 本質的価値 時間的価値 時間的価値の割合
10ドル(深いITM) ITM 0.88 8.15ドル 5.58ドル 2.57ドル 約32%
15ドル(ほぼATM) ATM寄り 0.73 5.35ドル 0.58ドル 4.77ドル 約89%
18ドル(OTM) OTM 0.63 4.35ドル 0ドル 4.35ドル 100%

この表、よく見てください。深いITMになるほど、プレミアムの中身が「時間的価値」ではなく「本質的価値」中心になっています。

深いITMが定石とされる3つの理由

理由1:デルタが高く、株とほぼ同じ値動きをする深いITM(デルタ0.88)は株価の動きにほぼ連動します。ATMやOTM(デルタ0.73、0.63)は株価が動いても反応が鈍く、「株の代替」としての役目を果たしにくくなります。

理由2:時間的価値の割合が小さく、セータ(タイムディケイ)の影響を受けにくいセータが削っていくのは「時間的価値」の部分です。深いITMは時間的価値がプレミアムの32%しかないので、タイムディケイで目減りする部分がもともと少ないです。一方OTMは時間的価値が100%なので、満期までにタイムディケイでまるごと溶ける可能性があります。

理由3:ベガ(IVの変化への感応度)の影響も相対的に小さいベガは一般にATM付近が一番大きく、深いITMやOTMに離れるほど小さくなる傾向があります。深いITMは時間的価値の絶対額も小さいため、決算発表などでIVが急落しても、プレミアム全体への影響が相対的に抑えられます。

まとめ

深いITMのLEAPSは「株に近い値動きを得つつ、タイムディケイとIV変動の影響を抑える」という、良いとこ取りの選び方です。なお、これは権利行使価格の選び方の話であり、満期の長さ(LEAPSであること)とは別の軸です。両方を組み合わせることで、より安定した戦略になります。こうした権利行使価格の選び方の基礎理論は、実務家のためのオプション取引入門 基本理論と戦略のような専門書でも、オプションの基本理論の一部として扱われています。


まとめ|深いITMの理解度チェック

師匠:3問、答えてみてください。

  1. 深いITMのLEAPSは、プレミアムに占める本質的価値と時間的価値の割合は、どちらが大きいですか?
  2. プレミアムに占める時間的価値の割合が大きいほど、セータ(タイムディケイ)の影響はどうなりますか?
  3. 深いITMを選ぶ理由を一言でまとめると、何のためですか?

あなた:1. 本質的価値2. 大きくなる3. 一年とか長い期間でプレミアムの損失を抑えるため

師匠:1問目・2問目は正解です。3問目は、満期の長さ(LEAPS)と権利行使価格の選び方(深いITM)が少し混ざっていました。深いITMを選ぶ理由は「株に近い値動きを保ちながら、タイムディケイやIVの変動の影響を抑えるため」です。

これで項目12「なぜLEAPSは深いITMで買うのが定石とされるか」は完了し、フェーズ3は残り項目13「ロールオーバーの考え方」のみです。

(※この記事は個人の学習記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません)

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