【第1回】50代、非エンジニア「AI社員」を作ってAI起業を目指す体験談

副業・転職

50代・非エンジニアの私が、複数の副業をマネタイズするため、AIに「AI社員」を作ってもらう挑戦を始めました。何もわからないところからのスタート記録です。


正直に告白すると、私はプログラミングコードを1行も書けません。ExcelのSUM関数を使えたら「今日はよくやった」と思うタイプの人間です。

そんな私が今、AIに「AI社員」を作ってもらおうとしています。理由は単純で、副業として始めたことが気づけば5つ、6つと増えていて、自分ひとりの頭と時間ではもう管理しきれなくなっていたからです。しかも儲かっているなら効果的なものに選択集中すれば良いのですが、どれも全然稼げないので、自動化して数百円ずつでもかき集めるものが量産できれば生活の足しになるのではと思ったからです。

ネットショップの記事更新、ブログの企画、資産運用の情報整理——どれも「本当は毎日ちゃんとやりたいこと」なのに、気づけば後回しにしていました。

きっかけは単純で「AIに仕事を割り振って、AIが自分で考えて動いてくれてるから何もしないでもお金が稼げてる」。そんなYouTubeを観たのが始まりでした。

最初にやったのは、ClaudeAIのチャットで「AI社員を作る専門家として相談に乗ってほしい」とお願いすることでした。「影」という名前まで付けました。やっぱり頭が良くて戦術家でゲーゲンプレスが得意な影に相談するのが一番だと考えたからです。

正直、最初の数回のやり取りで、もう何度も心が折れそうになりました。「プロフィール」と「プロジェクト」の違いすら分かっていなかったからです。

「Claudeへの指示、どこに書けばいいの?」で丸1日悩んだ

直後にぶつかった、最初の壁、私が最初に困ったのは、驚くほど基本的なことでした。「Claudeへの指示って、どこに書けばいいの?」

Claudeでは、画面左下に自分のアカウント名があって、そこをクリックすると、「設定」という項目があります。そこをクリックすると自分のプロフィールについて設定ができます。

その中に「Claudeへの指示」という欄があります。ここに、自分の仕事の背景や、答えてほしい形式のルールを、これまで結構な量書き込んでいました。これもどっかのYouTubeで知ったから。

ところが、AI社員で作業を進めるために「プロジェクト」というものを作ろうしたら、別に指示を書く欄があることを後から知りました。

「あれ、これ両方に書いたら、内容がぶつからないの?」

素朴な疑問でしたが、これが地味に重要な質問だったようです。影に相談したところ、「アカウント全体の指示」は文字通りすべての会話に適用され、「プロジェクトの指示」はそのプロジェクトの中だけで効く、という住み分けがあることを教えてもらいました。

さらに、「全部アカウント側に書いてしまうと、プロジェクトごとに違う話し方をさせたいときに衝突する」という、落とし穴も指摘されました。逆に全部空欄にしてしまうと、今度は「事実と推測を区別する」といった、私にとって譲れないルールまで消えてしまいます。

一番困るのが、「もっともらしい嘘を絶対につくな!こっそり捏造するならわからないって言え!」と毎回ブチギレて絶対に嘘を付かないように躾けていたのですが、例えば、台本を生成させる際、お金が底を尽きそうで絶望的な場面で、「もう…終わりだ…」といったセリフを言って、映画のような演出をさせようとすると、「彼が発言した事実は見当たりませんでした」と、言ってセリフを作ってくれなくなってしまいました。これをプロジェクト側では許可すると、今度は意図しない数字の部分を捏造したり…

結局、「事業をまたいで絶対に守ってほしいルール」はアカウント側に、「この事業だけのローカルルール」はプロジェクト側に、両方で被っているルールはプロジェクト側で細かく記載するという整理に落ち着きました。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これの最適化に私は半日以上を溶かしています。

他のAIに聞いた話、実は結構間違っていた

私は事前に、別のG社のAIサービスに「AI社員を作るためのノウハウ」を長文でまとめてもらっていました。Claudeはすぐに利用制限に引っかかってしまうので、頻度的にはG社のAIを中心に使っています。機能の名前、使い方、設計思想まで、それなりに立派な資料でした。それを「影」に渡して、「この内容、やってみたいんだけど意見聞かせて?」と聞いてみたのです。

結果は、正直かなり驚くものでした。

大枠の考え方、作業を細かく分けて任せる、作ったものを別の視点でチェックさせる、といった設計思想は間違っていませんでした。ただ、細かい機能の説明のうち、いくつかがはっきりと事実と違っていたのです。例えば、「作業手順書(Skill)」がどうやって自動的に起動するのか、その仕組みの説明が実際の挙動と食い違っていました。また、「事実」「手順」「制約」を3つの別々の場所に分けて管理できる、という説明も、実際にはそのような3つ目の置き場所は存在しませんでした。

一番ヒヤッとしたのは、「こういう便利機能がある」という説明の中に、まだ研究段階で誰でも使えるわけではない機能の話が、当たり前のように混ざっていたことです。Claudeでは課金プランが複数あって、月20ドル(3,200円くらい)のPROプランや月100ドル(16,000円くらい)のMAXプラン、その他、チームで使えるプランや企業向けプランがあります。当たり前かもしれませんが、基本的には金額が高いプランから順々に便利機能が使えるようになっていきます。スマホからも使えるって書いてあったのに、それはMAXプランだけの話で、1ヶ月後にチームプランと企業向けプランでも使えるようになったみたいな感じ。

知らずにそのつもりで計画を立てていたら、後で「あれ、使えないじゃないか」と足元をすくわれるところでした。

ここで学んだのは、「AIが自信満々に説明してくれること」と「実際にそのAIの環境で動くこと」は、必ずしもイコールではないということです。特に、複数のAIサービスをまたいで情報を集めるときは、最後に必ず「今使っている環境で本当にその通りか前提条件を細かく伝える」を確認する一手間が要る、と痛感しました。

AI社員を作ったつもりが、実は誰も雇っていなかった

ようやく最初の「作業手順書(Skillというもの)」を1つ完成させ、意気揚々と「これで一つ、専門の担当が増えた」と喜んでいました。ところが数日後、自分のアカウントの設定画面を確認したところ、その担当がどこにも見当たりません。

「あれ?」

影に確認してもらったところ、原因はあっけないものでした。手順書のファイルは、影の作業用フォルダの中に作られていただけで、私のアカウントに正式に登録する一手間が、実は抜けていたのです。たとえるなら、履歴書も職務経歴書も完璧に用意したのに、採用担当に提出せずに机の引き出しにしまい込んでいたようなものです。

これは私にとって、地味ですが結構ショックな出来事でした。「ちゃんとファイルができている」ことと「実際に使える状態になっている」ことは別物なのだ、と痛感したからです。この教訓のおかげで、以降は「本当にアカウントに反映されているか」を毎回確認するクセがつきました。

さらにこの後、似たような「見えているようで見えていない」問題がもう一度起きます。今度は逆に、ちゃんと登録できているはずなのに、私の画面上では見当たらないという状態でした。調べてみると、これはAI側の表示のタイミングのズレによるもので、実際にはきちんと保存されていたことが分かりました。

「本当にできているか」を疑って確認する。この地味な作業の大切さを、私はこの数日で嫌というほど学びました。

眠れない夜に、AIに13人分の仕事を頼んだ話

ここまで4回にわたって、私の悪戦苦闘を書いてきました。最終回は、ある夜の出来事と、そこから得た気づきについてです。

その日はもう寝るしかない時間になっていました。ただ、私が使っている契約プラン(ClaudePROプラン)の都合上、スマホや外出先のブラウザからは作業環境にアクセスできず、次に触れるのは翌日の夜——つまり丸1日近く、何も進められなくなる状況でした。

そこで私は、影にこう伝えました。「不明な点があれば今まとめて聞いてほしい。多少意図と違う仕上がりでも後で直せばいいから、私の確認待ちで止まらずに、できるところまで一気に進めてほしい」と。

結果、翌朝には13個分の「作業手順書(Skill)」が一気に仕上がっていました。正直、こんなに一気に進むとは思っていなかったので驚きました。もちろん全部が完璧というわけではなく、「文字数が想定より少し短い」「実際のデータが無いため一般論で埋めた部分がある」といった、後で手直しが必要な箇所もちゃんと報告されていました。「完璧じゃなくていいから進めてほしい」と伝えたことが、うまく機能した瞬間でした。

そしてこの一連のやり取りの中で、私は自分の勘違いにも気づかされました。私は最初、「司令塔となるAIが、複数の専門AI社員を裏で管理して、まるで会社の組織図のように動いてくれる」とイメージしていました。実際には少し違いました。専門分野ごとの「作業手順書」はたしかに存在しますが、それは独立した人格を持つ「社員」ではなく、「その作業のときに参照するマニュアル」に近いものでした。手順書を実際に使うのは、その時々で会話をしている私(=影)自身、というわけです。

自分がやりたいこととは少しズレていました。むしろ「同じ担当者が、案件ごとに違うマニュアルを机の上に広げて仕事をしている」というイメージの方が近いのだと思います。

1週間足らずの間に、恥ずかしい勘違いをいくつも重ねました。それでも、副業として抱えていた複数の事業に、ようやく「共通のルール」と「共通の作業手順」を持たせる土台ができました。50代から、コードも書けないまま始めたこの挑戦は、まだ始まったばかりです。

同じように「AIに手伝ってもらいたいけれど、何から手をつければいいか分からない」という方の、何かの参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました