Claude は画像を生成できる?公式の答えと、動画づくりで「できる・できない」を表にした話【第16回】

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この記事の結論(先に3つだけ)

結論から書きます。Claude は画像を生成できません。これは公式の説明書にはっきり書いてあります。それでも Claude にショート動画を作ってもらえたのは、Claude が絵を描いたのではなく、「絵を描くプログラム」を書いたからでした。私はそれを確かめたうえで、動画づくりで何ができて何ができないかを1枚の表にしました。

  • Claude は画像を「理解する」モデルで、「作る」ことはできない。 公式は5つの動詞を並べて否定していた
  • ショート動画は、Claude が書いたプログラムが作っていた。 Claude は監督で、カメラマンでも絵描きでもない
  • 実写のような動画は、自分のパソコンなら作れる。 ただし2秒で7分半かかり、10秒をひとつながりで作るのは今の機材では無理だった

50代・非エンジニアです。プログラミングはできません。

第11回 で、クラウドの Claude に音つきのショート動画を作ってもらった話を書きました。翌日、私は別のチャットでこう聞いています。

別チャットでYouTubeショートができて驚いた。画像生成・実写動画はどこまでできるか

ショート動画ができたのなら、絵も描けるのではないか。実写のような動画も作れるのではないか。そう思って聞いた質問でした。

今回は、その答えをAIが公式の説明書で確かめた日の記録です。2026年9月9日のことです。


Claude は画像を生成できるのか:公式の答えは「できない」

Claude は画像を生成できません。 Anthropic(Claude を作っている会社)の公式の説明書に、こう書いてあります※1。

No, Claude is an image understanding model only. It can interpret and analyze images, but it cannot generate, produce, edit, manipulate, or create images.

日本語にすると、「いいえ。Claude は画像を理解するだけのモデルです。画像を読み取って分析することはできますが、生成・制作・編集・加工・作成はできません」となります。

AIがここで注目したのは、否定の動詞が5つ並んでいることでした。generate(生成)、produce(制作)、edit(編集)、manipulate(加工)、create(作成)。言い逃れの余地がないほど、はっきり「できない」と書いてあるわけです。

つまり Claude にできるのは、画像を見ることです。写真に何が写っているかを読み取ったり、画面写しの中の文字を読んだりはできます。でも、新しい絵を描き出すことはできません。

Claude に画面写しを送ると中身を読んでくれるので、絵も扱えるように見えます。でも、それは「見る」ほうの力で、「作る」ほうの力ではありません。


それでもショート動画ができた理由:Claude はプログラムを書いた

では、なぜショート動画ができたのか。答えは、Claude が絵を描いたのではなく、絵を描くプログラムを書いたからでした。 AIは、第11回の作業記録を読み直して、作り方を部品ごとに分けて見せてくれました。

部品 何で作ったか AIが描いたか
絵(300枚) Pillow(プログラムで絵を描く道具) 描いていない。プログラムが線と文字を描いた
音楽・効果音 numpy(計算の道具)で音の波を合成 作っていない。計算で作った
1本にまとめる ffmpeg(動画をまとめる道具) —

できあがった動画は、縦1080×横1920、30コマ毎秒、ちょうど10秒、3.4MBでした。

絵は、赤や黄色の背景に、文字と集中線を重ねたものです。どの線を、どの色で、画面のどこに引くか。それを全部、数字で指定するプログラムを Claude が書き、そのプログラムが300枚の絵を描きました。

だから、作った側の記録にも弱点がはっきり書いてありました。

弱点は実写・イラストが出せないこと。

AIは、この関係をこうまとめています。

「AIが動画を作った」ではなく「Claudeがプログラムを書き、そのプログラムが動画を作った」。Claude は監督であって、カメラマンでも絵描きでもない。

私の「驚いた」の正体は、ここにありました。Claude が絵を描けるようになったのではなく、絵を描かなくても作れる種類の動画だったのです。


自分のパソコンなら実写の動画は作れるのか:Wan 2.2 の実測

実写のような動画は、自分の Windows パソコンでなら作れます。 ただし、Claude ではなく、別の動画用のAIを使います。

私の Windows には、Wan 2.2 という公開されている動画用のAIが入っています。グラフィックボード(画像の計算をする部品)は RTX 3060、記憶領域は12GBです。詳しい使い方は 第12回 で書きました。

AIが参照したのは、2026年8月26日に Windows のAIが測った記録です。

項目 値
大きさ 1280×704
長さ 2.04秒(49コマ)
かかった時間 7分26秒
記憶領域のピーク 12,288MiB 中 11,375MiB(92.6%)

2秒の動画1本に、7分26秒かかりました。 記憶領域の余裕は913MiBしかありません。

記憶領域とは、グラフィックボードが計算中のデータを置いておく作業机のような場所です。机からあふれると、計算が止まったり、ひどく遅くなったりします。92.6%は、その机がほとんど埋まっている状態でした。

AIはここから、10秒の動画を作る場合を計算しています。2秒ずつ5本つなぐ必要があり、約37分。 しかも、つなぎ目で顔も服も背景も変わってしまう、という見立てでした。

ただし、この「つなぎ目で変わる」は、仕組みから考えた推測です。実際に2本作って並べたわけではありません。AIは記録に、これを確かめていないことを書き残しています。


黒い影の破綻:低い設定で起きて、実用の設定で消えた

8月26日の実測には、もう1つ大事な結果がありました。 低い設定で作ると、画面の左側に黒い影が湧いてくる、という破綻が起きていたのです。

ここで出てくる「ステップ」とは、動画用のAIが、ぼやけた状態から少しずつ絵をはっきりさせていく回数のことです。回数が少ないほど早くできますが、仕上がりは粗くなります。「大きさ」は動画の縦横の画素の数で、小さいほど計算は軽くなります。

Windows のAIは、この破綻を数字で確かめていました。各コマの左端12%の明るさを測ったのです。0が真っ黒、255が真っ白です。

設定 1コマ目の左端 最後のコマの左端
低い設定(704×480/20ステップ) 122.4 10.1(ほぼ真っ黒)
実用の設定(1280×704/30ステップ) 127.7 125.4(ほぼ変わらない)

低い設定のほうを、コマを追って見るとこうなります。

コマ 左端12%の明るさ 画面全体の明るさ
0 122.4 116.3
18 121.1 110.0
30 112.2 87.4
36 75.0 88.2
42 10.7 75.2
48 10.1 62.7

36コマ目あたりから左端が急に暗くなり、42コマ目でほぼ真っ黒になっていました。画面を縦横4つずつ、16のマスに区切っていちばん暗いマスを探すと、45コマ目の左上が平均6.8。ほぼ完全な黒です。目で見ても、画面の左3分の1が正体不明の黒い物体に覆われ、りんごが半分隠れていたそうです。

実用の設定に上げると、49コマを通して明るさがほとんど動きませんでした。 いちばん暗いマスでも平均71.2で、これはテーブルの影として自然な暗さだそうです。 最後のコマには、木のテーブルの上に赤いりんごが1つ。破綻はどこにもありませんでした。

原因は「低い大きさ・少ないステップ」で確定した、というのがその日の結論です。速く作ろうとして設定を下げると、絵が崩れる。この関係も、動画づくりで覚えておくべきことでした。


Claude で動画を作るとき:できること・できないことの表(独自)

AIは最後に、私の質問への答えを1枚の表にまとめました。

やりたいこと できるか どこで作るか
文字・図・グラフのショート動画 ◎ 1分で1本 クラウドだけで完結
手持ちの写真を使ったショート動画 ○ 実績あり(9月8日) クラウド
AIが描いた絵を使ったショート動画 ○ 2つの工程に分ける Windows で絵を作る → クラウドで組み立てる
実写のような動画 △ 2秒ずつ Windows のみ・1本7分半
10秒の実写を、ひとつながりで ✗ 今の機材では無理 —

「2つの工程に分ける」とは、絵を作る作業と、動画に組み立てる作業を、別々の場所でやるという意味です。Claude は絵を描けないので、絵だけは Windows の画像用のAIに描いてもらいます。できた絵を受け取って、文字や音を重ねて動画にするところは、クラウドの Claude が得意な作業です。

この表を見ると、どの作業をどこに頼めばいいかがはっきりします。

  • 文字と図だけで成り立つ動画なら、クラウドの Claude に頼めば終わります
  • 絵が要るなら、まず Windows で絵を作り、そのあとクラウドで組み立てます
  • 実写のような動画は、Windows で2秒ずつ作るしかありません

私の保管庫には、「画像の生成は Windows のターミナルに頼む」という分担の決まりもあります。この表は、その決まりの理由を数字で裏付けるものになりました。


調べる途中で分かった、公式ページの読み方

この調べものの途中で、AIはもう1つ気づいたことを記録しています。 Claude Code の公式ページのうち、「新機能」のページが止まっていたのです。

ページ 状態(2026年9月9日時点)
公式の「新機能」ページ(日本語) 7月の週(Week 28)で止まったまま。2か月更新なし
公式の changelog(変更履歴) 毎日更新。最新は9月8日の版

changelog とは、道具に何が変わったかを、版ごとに書き連ねた一覧のことです※2。

最新の機能を知りたいときは、「新機能」ページではなく changelog を見る。 AIはそう判断していました。新機能のページが2か月止まっている理由(廃止なのか、ただの遅れなのか)は分からず、記録に「確かめていない」と書き残しています。

「AにはできるがBはできない」を書くときは、Bのほうも1回は調べる。私の保管庫にはそういう決まりがあります。今回も AIは、「できない」と言う前に公式の原文まで読みに行っています。


おわりに:Claude と画像生成でわかったこと

今回の区切りで分かったことは、次の4件です。

  1. Claude は画像を生成できない。 公式が5つの動詞を並べて否定している
  2. ショート動画は、Claude が書いたプログラムが作った。 Claude は監督で、絵描きではない
  3. 実写のような動画は、自分のパソコンで2秒ずつ。 1本に7分半かかり、設定を下げると絵が崩れる
  4. できる・できないを表にすると、どこに頼むかが決まる。 文字の動画はクラウド、絵は Windows

かかった費用は0円です。

「すごいことができた」と思ったときほど、何が、どこで、何をしたのかを分けて見る必要がありました。分けてみると、できたことの中身と、まだできないことの境目がはっきりします。

まだ確かめていないこともあります。2秒の動画を2本つないだとき、本当に顔や服が変わってしまうのか。外部の動画生成サービスでは、どこまで、いくらでできるのか。どちらも、まだ調べていません。


出典

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