この記事の結論(先に3つだけ)
結論から書きます。ComfyUI で Wan 2.2 を使って「画像から動画」を作ろうとしたら、入れた画像とまったく関係のない動画が出てきました。原因は、画像を読み込む部品が最初から「無効」になっていたことです。直したあと、RTX 3060(12GB)で3本測ると、いちばん重い5秒の動画も最後まで通りました。
- 画像が無視された原因は、「画像を読み込む」部品が無効のままだったこと。 画像は1度も使われていませんでした
- AIは新しく環境を作らず、「詰まりを外す」作業として扱いました。 同じパソコンで成功した記録が残っていたからです
- 足りなくなるのは、グラフィックの記憶領域ではなく時間でした。 5秒の動画は16分56秒かかりました
50代・非エンジニアです。プログラミングはできません。
前回は、クラウドのAIに文字だけのショート動画を作ってもらった話を書きました。その方法には「実写やイラストは出せない」という弱点がありました。
そこで今回は、自分の Windows パソコンで、静止画を動かして動画にすることに挑戦しました。前々回の Blogger API の話 から続けて読んでいる方には、また別の道具の話になります。
2026年9月10日の夜、私はAIにこう頼みました。
画像から動画を作りたいがエラーになった。環境構築してほしい
ComfyUI で画像から動画にならなかった原因:「画像を読み込む」が無効だった
原因は、ComfyUI の画面にある「画像を読み込む」という部品が、最初から無効になっていたことでした。 そのため画像は1度も使われず、テンプレートに最初から入っていた英語の指示文だけで動画が作られていました。
ComfyUI は、画像や動画を作るAIを自分のパソコンで動かすための道具です。画面の上に「部品(ノード)」を並べ、線でつないで使います。
私が使ったのは、ComfyUI に用意されている公式のテンプレート「Wan 2.2 5B 動画生成」です。このテンプレートでは、画像を読み込む部品が、はじめは薄い色で無効になっています。 公式の説明書には「画像から動画を作るなら、Ctrl+B でこの部品を有効にする」と書いてありました※1。
出てきた動画の中身を見ると、原因ははっきりしていました。動画は、1970年代風の地下鉄の駅でした。古いジャケットを着た路上の演奏家がいて、急ぎ足の通勤客が行き交い、カメラがゆっくり右へ動きます。これは、テンプレートに最初から書いてある英語の指示文と完全に一致していました。
つまり、私の画像はどこにも使われていなかったわけです。
AIはここで、もう1つ大事なことを教えてくれました。画像から動画を作るときは、画像と指示文の両方が効きます。 画像は「最初のコマ」、指示文は「どう動くか」です。画像を有効にしても、指示文を書き換えなければ、絵がその文章のほうへ引っぱられます。
そもそも画像から動画(i2v)とは:Wan 2.2 5B をかみ砕く
画像から動画を作ることを、AIの世界では i2v(image to video)と呼びます。 静止画を1枚渡して、それを最初のコマとして動かしてもらう方法です。
今回使った Wan 2.2 TI2V-5B は、誰でもダウンロードできる形で公開されている動画用のAIです※2。名前の「TI」は、Text(文章)と Image(画像)の頭文字です。1つのAIで、文章からも画像からも動画が作れます。
AIの記録によると、2026年9月の時点で、自分のパソコンで動かせる動画用AIは主に3つありました。
- Wan 2.2
- LTX-2.3
- FramePack
私のパソコンのグラフィックボード(画像の計算をする部品)は、RTX 3060 です。記憶領域(VRAM)は12GBあります。この大きさなら Wan 2.2 の 5B がおすすめで、乗り換える理由は今のところ無い、というのがAIの判定でした。
公式の説明書にも、5B 版は ComfyUI の仕組みを使えば8GBの記憶領域でも収まる、と書いてあります※1。
新しく作らず「詰まりを外す」と決めた理由
私は「環境構築してほしい」と頼みましたが、AIは新しく環境を作りませんでした。 保管庫の記録に、同じパソコンで画像から動画を作るのに成功した記録が残っていたからです。
その記録は、2026年8月23日のものでした。リンゴの静止画を動かして、704×480の大きさ、49コマの動画が2分00秒でできています。AIを動かすためのファイル3つも、そのときに入れたままでした。
だから今回は、ダウンロードも入れ直しも要りません。「作る」のではなく、「どこで詰まっているかを外す」作業になりました。
このとき、AIは原因の候補を2つ挙げていました。
- テンプレートの「画像を読み込む」部品が無効のまま(第一候補。確信度は中)
- 直前に開いていた有料のテンプレートと同じ経路で、別の有料のものを開いた可能性
2つ目には根拠がありました。私が直前に開いていたのが、使った分だけお金がかかる外部サービスにつなぐテンプレートだったのです。あとで分かったことですが、ComfyUI の履歴には、そのサービスの部品が「ログインしてください」というエラーで失敗した記録が1件残っていました。
新しく作り直していたら、こうした手がかりは全部消えていたはずです。
クラウドのAIは Windows を触れない:申し送りで別のAIに頼んだ
私が相談したのはクラウドで動くAIでしたが、そのAIは私の Windows パソコンの中を直接触れません。 そこで、保管庫の「申し送り」の置き場所に、Windows で動いているAIあての依頼書を1枚書きました。
依頼書の中身は、次の順番でした。
- いま動いている ComfyUI が、どちらのユーザーのものかを確かめる
- AIのファイル3つがそろっているかを確かめる
- 画像から動画を1本、最後まで通す
- 押せば動く形でワークフロー(部品の並べ方)を保存する
- 記録を書く
1つ目には理由があります。私の Windows には、ユーザーが2人います。どちらの ComfyUI が動いているかで、ファイルの置き場所が変わるのです。クラウドのAIは、画面が日本語表示だったことから「たぶん私の側」と見ていました。ただ、確信度は中で、断定はしていません。
Windows のAIが調べた結果は、私の側の ComfyUI で間違いありませんでした。 動いているプログラムを1つずつ見て、持ち主を確かめています。
もう1つ分かったことがあります。ワークフローを保存するフォルダが、私の側ではまだ存在していませんでした。 一度も保存したことが無かったからです。もう1人のユーザーとは置き場所が違うので、取り違えに注意、と記録に残っています。
ComfyUI のワークフローを「押せば動く形」にした3か所の直し
Windows のAIは、公式のテンプレートを土台に3か所を直し、「開いて Run を押すだけで動く」ワークフローとして保存しました。 ファイル名は i2v-wan22-5b.json です。
直したのは次の3か所でした。
- 「画像を読み込む」部品を、最初から有効にした → Ctrl+B を押す必要がなくなった
- 画面の見出しにあった「i2v には Ctrl+B で有効に」という英語の注意書きを消した
- 中の説明メモを日本語に差し替え、実測した時間の表をそのまま書き込んだ
既定の設定は、1280×704の大きさ、49コマ、20ステップです。かかる時間は5分19秒でした。
保存したあと、AIは ComfyUI から中身を読み出して、画像の部品が本当に有効になっているかを確かめています。
1つだけ、私がやることが残りました。ブラウザで F5(再読み込み)を押すことです。 ワークフローの一覧は、画面を読み込んだときに1回だけ作られます。だから、あとから保存したファイルは、再読み込みしないと一覧に出てきません。
私の手順は、これで3つだけになりました。
- ブラウザで F5 を押す
- 左の一覧から
i2v-wan22-5bを開く - 「画像を読み込む」に絵を入れ、緑の欄に動かし方を英語で書いて、Run を押す
RTX 3060 12GB で実測3本:足りなくなるのは VRAM ではなく時間(独自)
今回いちばん役に立ったのは、Windows のAIが実際に3本作って測った数字です。 同じ RTX 3060(12GB)で、大きさと長さを変えて比べています。設定はどれも20ステップです。
| 大きさ | 長さ | かかった時間 | 記憶領域のピーク | 通ったか |
|---|---|---|---|---|
| 704×480 | 49コマ(約2秒) | 1分57秒 | 97.5% | 通った |
| 1280×704 | 49コマ(約2秒) | 5分19秒 | 95.2% | 通った |
| 1280×704 | 121コマ(約5秒) | 16分56秒 | 98.0% | 通った |
いちばん重い5秒の動画も、12GBで最後まで通りました。 記憶領域のピークは98.0%で、ぎりぎりです。
通った理由も分かっています。ComfyUI は、AIの中身を記憶領域に丸ごと載せません。必要な分だけ少しずつ流し込む方式で動かしていました。そのため、計算している最中の使用量は7.4〜7.5GB前後で推移していたそうです。
その代わり、時間が大きく伸びます。 1ステップあたりの時間を比べると、こうなりました。
| 設定 | 1ステップ | 20ステップの合計 |
|---|---|---|
| 704×480/49コマ | 約4.3秒 | 1分26秒 |
| 1280×704/121コマ | 約43.8秒 | 14分36秒 |
およそ10倍です。 大きさが2.67倍、長さが2.47倍なので、それを掛け合わせた数字とほぼ一致します。
ここから、AIは使い方を次のようにまとめました。
- ふだんは1280×704・49コマ(5分19秒)で作る
- 5秒の動画は作れるが、1本に17分ほどかかる
- 困るのは「動かない」ことではなく、「待つ時間」のほう
12GBのグラフィックボードで動画を作れるかどうかは、この表で判断できます。動くかどうかより、1本に何分待てるかが決め手です。
つまずき:AIの見立ても外れ、素材の点検で止まった
この件では、AI自身の見立ても1つ外れました。 最初にクラウドのAIは、「1280×704・121コマは、記憶領域が足りない可能性が高い(確信度 高)」と書いていました。
実際には、私の画面で5秒の動画ができていました。AIは記録の中で、前の見立ては誤りだったとはっきり訂正しています。外れた理由は、先ほどの「必要な分だけ流し込む方式」が効いたためと見ていて、そこには【推測】の印が付いていました。
もう1つ、AIが手を止めた場面がありました。
私が「画像を読み込む」に入れた写真は、実在の人物が写った実写でした。私の保管庫には「本人の同意が確認できない実在の人物を、素材にしない」という決まりがあります。AIはこれに当たると判断して、その写真には一切触れずに止め、私に報告しました。
しかも私は、その前に「画像はAIで作ったものです」と伝えていました。実際に入れた写真は別物だったのです。AIの記録には、本人の申告と実物がずれることがある例として残っています。
確信度「高」の見立てでも外れることがある。私の言ったことと実物が違うこともある。どちらも、実物を見て確かめたから分かったことでした。
おわりに:ComfyUI の画像から動画でわかったこと
今回の区切りで分かったことは、次の4つです。
- 画像が無視されたら、まず「画像を読み込む」部品が有効かを見る。 公式テンプレートでは最初は無効です
- 画像と指示文は、両方とも効く。 指示文を書き換えないと、絵が文章のほうへ引っぱられます
- 12GBでも5秒の動画は作れる。 ただし1本に17分ほどかかります
- 作り直す前に、成功した記録を探す。 「環境構築して」と頼んだのに、要ったのは詰まりを外すことだけでした
かかった費用は0円です。AIのファイルも ComfyUI も、すでに入っていたものを使いました。
1つ、まだ確かめていないことがあります。作った動画の「出来の良し悪し」は、まだ誰も見ていません。 動くことと、使える絵になることは別の話です。
出典
- ※1 Wan2.2 Video Generation ComfyUI Official Native Workflow Example(ComfyUI 公式ドキュメント)
- ※2 Wan-AI/Wan2.2-TI2V-5B(Hugging Face)
