Claude Code で動画を作った体験談|編集アプリなし・0円で音つきショートが1本できた【第11回】

AI起業の実験ログ

この記事の結論(先に3つだけ)

結論から書きます。クラウドで動く Claude Code に頼んだら、動画編集アプリも動画生成サービスも使わずに、音つきの縦型ショート動画(10秒)が1本できました。絵は1枚ずつプログラムで描き、BGMも計算で作っています。費用は0円で、描いて書き出すまでの時間は1分弱でした。

  • 文字とベタ塗りで見せる動画なら、Claude Code だけで作れました。 日本語のテロップも崩れません
  • 弱点ははっきりしています。 実写やイラストは、この方法では出せません
  • いちばん効いたのは「書き出す前に、代表の場面を並べて目で見る」ことでした。 これで尺からはみ出したコメントに気づけました

50代・非エンジニアです。プログラミングはできません。

前回の Blogger API とは? では、ブログの投稿の経路をAIと作り替えた話を書きました。

今回は動画です。2026年9月8日、私はクラウドのAIにこう頼みました。「実験的にYouTubeショート動画を作ってほしい」。

題材は、架空のマンガが休載して、ネット民が嘆いている、というネタです。テンポのいい音楽に、嘆きのコメントが次々に並ぶ10秒。LINEで送れる形にしてほしい、とも伝えました。


Claude Code で動画は作れるのか:10秒のショートが1本できた

作れました。1080×1920の縦型、30コマ毎秒、ちょうど10秒、音つきで3.4MBの動画です。 作ったのは、クラウドで動いている Claude Code です。Claude Code とは、AIがパソコンの中で実際にコマンドを打って作業してくれる道具のことです。今回はそのクラウド版で、私のパソコンではなく、インターネットの向こうにある使い捨ての作業場で動いています。

その作業場の中だけで、絵も音も全部その場で作りました。外の動画サービスには1つもつないでいません。

できあがった動画は、Claude のチャットにファイルとして届きました。私は受け取るだけです。

中身は次のような流れでした。

  • 0〜2秒:赤い背景に集中線で「【悲報】」の速報テロップ
  • 2〜8.6秒:黄色い背景に「名無しさん」のコメントが積み上がる
  • 8秒:BGMが「ジャン!」と止まって、画面が白く光る
  • 8.6〜10秒:黒い背景で「犯人は──」→「休載でした。」→「※次回、未定。」

ネタとしては他愛ないものです。ただ、「AIに動画を作らせる」と聞いて私が思い浮かべていたものとは、作り方がまったく違いました。


Claude Code で動画を作る仕組み:絵を300枚描き、音を計算で作り、1本にまとめた

作り方は3段階でした。絵を1枚ずつ描く、音を計算で作る、それを1本にまとめる。 動画をいきなり生成するのではなく、パラパラ漫画を作る感覚に近いものでした。

1. 絵を300枚描く

30コマ毎秒で10秒なので、絵は300枚要ります。AIは Pillow という道具を使って、PNG形式の画像を1枚ずつ描きました※1。Pillow は、プログラムで画像を描くための道具です。

文字の位置、背景の色、集中線。全部、数字で指定して描いています。だから日本語の文字が崩れません。

2. 音を計算で作る

BGMと効果音は、numpy という計算の道具で作りました※2。音の波の形を、数式で1つずつ組み立てていくやり方です。

AIの手順書によると、ファミコンのような音は四角い波や三角の波で作れます。スネアやハイハットは「雑音を少しずつ小さくする」だけで、キックは「高い音から急に低い音へ下がる波」で作れるそうです。

3. ffmpeg で1本にまとめる

最後に、300枚の絵と音のファイルを ffmpeg という道具で1本の動画にしました※3。ffmpeg は、動画や音の変換をする定番の道具です。手順書には「動画界の万能包丁」と書いてありました。

かかった時間は、絵を描くのに28秒、書き出しに20秒でした。

手順書には、iPhone や LINE で再生するために必要な設定も書いてありました。これを付けないと再生できないことがある、と「必須」の印つきです。


編集アプリやAI動画生成と比べた結果

AIは3つの方法を比べ、「クラウドでプログラムを書いて作る」案を選びました。 比べた観点は、私がいつも頼んでいる4つ(できるか・お金・時間・手間)です。

方法 できるか お金 時間 私の手間
クラウドでプログラムを書いて作る(採用) 実際に動いた 0円 約1分 受け取るだけ
CapCut などの編集アプリで手作業 できる 無料〜 30分〜 全部私
AI動画生成サービス 日本語のテロップが崩れやすい 使った分だけ課金 数分+待ち プロンプトの調整

AIが書いた弱点も、正直に残しておきます。この方法では、実写やイラストが出せません。

向いているのは、文字とベタ塗りと集中線で成り立つ動画です。手順書には「悲報テロップ系」「ランキング系」「セリフ劇場系」と書いてありました。そういう動画に限れば、他の2つよりどの観点でも上だった、というのがAIの判定です。

実写やイラストが要る動画は、画像を作る別の仕組みと組み合わせる、という整理になりました。


つまずいたところ:Claude Code でも4回止まった

1本の10秒動画で、AIのつまずきは4件ありました。 どれも、直し方まで記録に残っています。

つまずき①:ffmpeg が入っていなかった

最初の壁は、動画をまとめる ffmpeg が作業場に入っていなかったことです。入れようとしたら、エラーで失敗しました。

AIは、道具の一覧を最新に更新する命令を先に流し、余計なものを入れない指定を付けて、入れ直しました。それで通っています。

クラウドの作業場は使い捨てなので、作業のたびに入れ直しが必要だそうです。

つまずき②:日本語の文字が細かった

最初から入っていた日本語の字体は細く、スマホの小さい画面では弱いものでした。AIは極太のゴシック体を追加で入れて、テロップに使いました。

文字の大きさにも目安が決まりました。本文は54〜60ピクセル以上、見出しは120〜190ピクセルです。

つまずき③:7つ目のコメントが、尺からはみ出していた

ここが今回いちばん大事なつまずきです。

コメントは26コマおきに7つ出す設計でした。ところが、26コマ×7では、コメントの場面に割り当てた時間に最後の1つが収まっていませんでした。

AIは、代表の場面を何枚か1枚の画像に並べて、目で見て気づきました。記録には太字でこう書いてあります。

書き出す前に必ず代表フレームを並べて見ること

数字の計算だけで「合っているはず」とせず、並べて見る。動画に限らず使える習慣です。

つまずき④:BGMの曲を途中で変えた

途中で私が、BGMを「追いかけっこキャッハー」な感じにしてほしい、と注文を変えました。運動会でよく流れる、あのドタバタした曲の雰囲気です。

AIは最初、著作権の切れたクラシックの有名曲を使おうとしました。ところが、その曲の音符を正確に取れる無料の情報源が見つからなかったそうです。

記憶で音を並べると外す。そう判断して、同じ型の旋律を自分で作るほうに切り替えました。速い2拍子、低い音と和音を交互に刻む伴奏、音階を駆け上がって駆け下りる主旋律、という型です。


音と絵をそろえるコツ:BPM180なら1拍=10コマ(独自)

音と絵をそろえる考え方も、記録に残りました。 BGMの速さを BPM180(1分間に180拍)にすると、1拍はちょうど0.333秒になります。30コマ毎秒の動画なら、1拍がちょうど10コマです。

だから、テロップが出るタイミングを10の倍数のコマに置けば、音と絵が勝手にそろいます。

AIはこれを、その日の決まりとして残しました。

  • BGMは既成曲を使わない。 音の波から自分で作る
  • 拍とコマをそろえる。 BPM180なら1拍=10コマ。テロップは10の倍数のコマに置く
  • 動画の本体は保管庫に置かない。 完成品は公開先へ。保管庫には手順とプログラムだけを残す

1つ目の理由は、YouTubeです。ネットで拾った音源を使うと、収益化できなくなったり、動画ごと消されたりするおそれがある、とAIは書いていました。自分で作った音なら、その心配がありません。

3つ目は、私の保管庫を軽く保つための決まりです。動画のような大きなファイルで保管庫を膨らませない、という理由でした。

もう1つ、画面の端にも決まりがありました。上下270ピクセル、左右130ピクセルは文字を置かない。 ショート動画の画面の端には、いいねや共有のボタンが重なるからです。

ここまで数字で決めておくと、次に作るときは「どこに何を置くか」で迷いません。センスではなく規格で作る、ということです。


届いた画像2枚で作り直した:ロゴは映さないと決めた

文字だけの1本目を渡したあと、私から画像を2枚送りました。AIはその2枚を素材にして、動画を作り直しました。 1本目の「実写やイラストは出せない」という弱点を、私が用意した画像で補った形です。

送った画像は次の2枚です。

  • 架空のマンガの「次回予告ポスター」風の画像
  • ニュースサイト風の記事画面(見出し・本文・マンガのコマ・コメント欄つき)

できあがりは、同じ10秒・縦型で、2.0MBでした。場面の割り振りは次のとおりです。

時間 場面
0〜1.67秒 ポスター本体と「【悲報】」「一時休載」
1.67〜3.67秒 「バン!!」のコマと記事の見出し、「読者、騒然」
3.67〜8秒 ネット民のコメント6枚(BGMの拍にそろえて0.667秒ごと)
8〜10秒 一時休載のお知らせ →「再開時期は──」→「未 定。」

コメントの文面は、私が送った2枚目の画像のコメント欄から取っています。スマホで読める長さに、全角17文字以内で詰め直してありました。場面の切れ目も、コメントの出るコマも、すべて10コマの倍数に置いてあります。

ここでAIは、私に断らずに1つ判断しています。ニュースサイト風の画面のうち、実在するサイトのロゴやメニューの部分は映さない。 見出しの文字だけを切り出して使いました。

理由は記録に残っています。実在の報道機関が本当に報じたように見える動画を公開すると、YouTube の「誤解を招くコンテンツ」に当たる可能性がある。日本でも、不正競争防止法や商標の問題になり得る。法律の部分は専門家に確認が必要、とも書いてありました。

画面の余白の埋め方にも工夫がありました。縦長の画面に横長の画像を置くと、上下が空きます。そこを黒い帯にせず、同じ画像をぼかして暗くしたもので埋めています。 黒い帯だと素人っぽく見えるから、だそうです。

この作り直しでも、つまずきが3件出ています。

  • いいねの数に絵文字を使ったら、四角い記号(いわゆる豆腐)になった → 「いいね 1,032」と文字で書いた
  • 切り出した画像の文字の端が切れていた → 数字の見当で範囲を決めたのが原因。候補を並べて目で見て決め直した
  • いいねの数がコメントの本文と重なっていた → 名前の行の右端に移した

2つ目のつまずきも、1本目と同じ教訓でした。数字だけで決めず、並べて目で見る。

その日の最後に、私がコメントの文面を指定し直しました。AIはコメントを6本から4本に差し替え、本数が減ったぶんカードを大きくし、出る間隔を広げています。1本あたり1.0秒になって、読む時間が増えました。


おわりに:できたこと・できないこと・まだ確かめていないこと

今回の実験で分かったことを、3つに分けて書いておきます。

できたこと

  • 編集アプリも動画生成サービスも使わず、0円で、音つきの縦型ショートを作れた
  • 日本語のテロップは崩れず、音と絵のタイミングもそろった
  • 私が用意した画像を素材にして、作り直すこともできた

できないこと

  • この方法だけでは、実写やイラストは出せない
  • 既成のBGMは使わない(権利の心配があるため、自分で作る)

まだ確かめていないこと

  • 私のスマホや LINE で、実際に再生できたか(記録には残っていません)
  • YouTubeショートとして投稿したとき、ボタンに文字が隠れないか(端は空けてありますが、投稿はしていません)
  • ニュースサイト風の画面が入った2本目を、公開してよいか

AIは、確かめていないことを「確かめていない」と書いて残していました。だから、どこから先が私の判断なのかがはっきりしています。

非エンジニアの私が、プログラムを1行も書かずに動画を1本作れました。ただし、つまずいた4か所はどれも、AIが「並べて見る」「記録に残す」ことで見つけたものです。作る力と同じくらい、確かめる手順が効いていました。


出典

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