Windows ユーザーアカウントの追加でAI環境を分けた体験談|ブラウザだけでは分かれていませんでした【第5回】

AI起業の実験ログ

この記事の結論3つ

  • ブラウザを分けても、AIのログイン情報は分かれていませんでした。 ここが最大の落とし穴でした
  • Windows のユーザーを分けると、6か所が一度に分かれます。 でも設定を1つずつ変える必要はありません
  • 共有してよいのはAIの本体だけ。 46.33GB ぶんを2重に持たずに済みました

50代・非エンジニアです。プログラミングはできません。

前回のローカルAI LM Studio の使い方でつまずいた6か所 で、Mac に無料のAIを入れて動かすところまで終わりました。

今回からは Windows の話になります。同じパソコンの中に、2人目のユーザーを作った記録です。

事業をもう1つ始めることになりました。何の事業かは書きません。ちょっと書けない系。書けるのは、AIの環境ごと完全に分ける必要があった、という事実だけです。


なぜ「フォルダを分ける」では足りなかったのか

最初に考えたのは、いちばん簡単な方法でした。新しいフォルダを1つ作って、そこで作業する。

これで足りると思っていました。実際には足りません。

理由は、AIが読み書きするものが、フォルダの中だけに収まっていないからです。


つまずき①:ブラウザだけ分けても、AIの設定は分かれていなかった

次に考えたのが、ブラウザを分ける方法でした。Chrome のプロフィールを2つにすれば、ログイン先が混ざらない。

ここまでは合っています。そして、ここで止まると危ないことも分かりました。

ブラウザを分けても、次の2つは共通のまま残ります。

  • AIの設定と作業履歴C:¥Users¥(ユーザー名)¥.claude¥ に入っている
  • GitHub のログイン情報 … Windows の「資格情報マネージャー」に入っている

つまり、画面の上では分かれて見えるのに、中身は同じ引き出しを使っていたわけです。

「分けたつもりで、分かれていなかった場所」。これが今回いちばんヒヤリとした点でした。


Q. Windows ユーザーアカウントを追加すると、どこまで分かれますか?

設定を1つも触らずに、次の6か所が分かれます。

分かれるもの どこにあるか
AIの設定・作業履歴 C:¥Users¥(名)¥.claude¥
GitHub のログイン情報 資格情報マネージャー(ユーザーごと)
git の名前とメールアドレス C:¥Users¥(名)¥.gitconfig
Obsidian の設定 C:¥Users¥(名)¥AppData¥Roaming¥obsidian¥
ブラウザの履歴・保存パスワード 同上
デスクトップ・ドキュメント・ダウンロード C:¥Users¥(名)¥

表の1行目と2行目が、ブラウザを分けただけでは残っていた場所です。

Windows のユーザーを分けると、この6か所が一度に別々になりました。ひとつずつ設定を探して回る必要はありません。


Q. Windows でユーザーアカウントを追加するのは、どこからですか?

「設定」→「アカウント」→「他のユーザー」→「その他のユーザーを追加する」の順に進みます。

私は管理者として作りました。あとからアプリを入れる必要があるからです。権限が足りないと、途中で止まります。


つまずき②:Microsoft アカウントで作りかけた

追加の画面を進むと、まずメールアドレスを聞かれます。

ここでメールアドレスを入れると、1台のパソコンに2つの Microsoft アカウントがひもづきます。 支払い情報も、クラウドの保存先も、そのままついてきました。

分けたいのに、別のところでつながる。これでは意味がありません。

「このユーザーのサインイン情報がありません」という小さな文字を押すと、メールアドレスなしで作れます。 これがローカルアカウントです。

このパソコンの中だけで完結する、いちばん単純なユーザーでした。


つまずき③:ユーザー名を、意味のある名前にしかけた

最初、事業の名前をそのままユーザー名にしようとしました。やめて正解でした。

Windows のユーザー名は、C:¥Users¥(ここ)¥ としてパスに入ります。そして、そのパスは次の場所に一生出続けます。

  • エラーが出たときの画面
  • AIが作った画像や動画の保存先
  • 画面を撮って人に見せるとき

あとから変えるのは、かなり面倒です。 意味を持たない英数字にしておきました。


共有してよいもの、絶対に分けるもの

全部を2重に持つと、パソコンの空き容量が苦しくなります。そこで分けました。

どうしたか 理由
AIのモデル本体(46.33GB) 共有した 誰が使っても中身は同じ。身元の情報を含まない
作った画像・動画 分けた 事業の中身そのもの
入力した指示の履歴 分けた 同上

共有のやり方は、フォルダのショートカットではありません。 extra_model_paths.yaml という設定ファイルに「本体はここにあります」と場所を書きます。

そして、1人目のフォルダには「読むことだけ」を許可しました。 2人目から書き換えられない状態です。


つまずき④:グラフィックボードは、2人で取り合う

これは設計の段階では見落としていました。

画像や動画を作るとき、グラフィックボードの専用メモリを使います。 私のパソコンでは 12GB です。

Windows の「ユーザーの切り替え」を使うと、前の人のアプリが裏で生き残ります。 AIのアプリが裏で 5GB 使っていると、2人目の画面では途中で止まります。


Q. ユーザーの切り替えとサインアウトは、何が違いますか?

前の人のアプリ 使ったメモリ
ユーザーの切り替え 裏で動いたまま 返ってこない
サインアウト すべて終了する 返ってくる

AIを使う前は、必ず「サインアウト」を選びます。 切り替えのほうが速いので、つい押したくなりました。ここは我慢する場所です。


★ いちばん効いたのは「AIに、もう1人の存在を教えないこと」

分離でいちばん効いたのは、設定ではありませんでした。

AIは、起動したフォルダにある説明書しか読みません。 別の場所で起動すれば、もう片方の保管庫があること自体を知りません。

私の保管庫には、動いているAIの一覧表があります。そこに、2人目を書き足しませんでした。

書き足さないこと自体が、分離になります。うっかり混ざる道が、そもそも存在しない状態を作れました。

権限やパスワードで守るのではなく、行き先を知らせない。これがいちばん壊れにくい方法でした。


この回でわかったこと

  1. 「分けたつもり」がいちばん危ない。 ブラウザを分けても、AIの設定とGitHubのログイン情報は共通のままでした
  2. Windows のユーザーを分けると、6か所が一度に分かれる。 設定を1つずつ探して回るより確実です
  3. 共有してよいのは、誰が使っても同じもの(AIの本体)だけ。 出力と履歴は分けます

そして、この日いちばん時間を使ったのは、作業ではなく「どこが分かれていないか」を数えることでした。


次回

次は、その2人目のユーザーに AIを入れる作業です。

ここで、思ってもみなかった壁にぶつかりました。2人目の画面には、コピペができなかったのです。

1行のコマンドを手で打つだけ。それだけのことで、3回打ち間違えました。 しかも1回は、エラーが出ないまま別のことが実行されるという、いちばん気づきにくい失敗でした。

Claude Code を Windows にインストールした話|コピペできない画面で3回打ち間違えました

コメント

タイトルとURLをコピーしました