米国株LEAPSオプション学習記 Day2|株価が動かなくても損をする、タイムディケイの正体

お金
米国株LEAPSオプション学習記 Day2

Day1で「オプション買いは損失限定・利益無限大」という非対称な構造を理解した私。今日はその代金(プレミアム)の中身に踏み込む。ここで自分の説明の粗を、弟子に2度も指摘されることになった。

01プレミアムの中身は2つに分かれている

師匠

今日は項目2「タイムディケイ」。プレミアムには実は2つの成分が混ざっています。①本質的価値(今すぐ権利を使ったら得する金額)②時間的価値(まだ満期まで時間があるから、これからもっと得するチャンスがあるという期待のオマケ)。

問題は②です。この時間的価値は、満期が近づくにつれて、何もしなくても自動的に減っていきます。これがタイムディケイです。

たとえば話:値段が動かないマンション
  • 「1年後に3000万円で買える権利」を50万円で買った
  • 半年経過。マンションの値段は相変わらず3000万円のまま、一切動いていない
  • それでもこの時、権利の値段は50万円のままではなく、下がっている(例えば25万円くらいに)

02「下がる可能性」はノーリスクという発想

引っ掛かります。上がる期待もあるけど下がる可能性もあるのになんで?もし残り半年しかチャンスが無い状態で、3100万円とか2900万円の場合の権利の値段は?

師匠

「下がる可能性がある」ことは、権利を買った人にとって実はノーリスクなんです。値下がりしても損失は放棄すればいいだけで50万円のまま増えない。だから権利の値段は「得する可能性」の分だけについていて、「損する可能性」は値段を下げる理由にはなりません。

マンション価格本質的価値時間的価値権利の値段
3100万円100万円約15万円約115万円
2900万円0円約15万円約15万円

株価が権利行使価格の近くにあるほど、時間的価値の割合が大きい——ここで初めて「本質的価値ゼロでも、権利には値段がつく」という感覚が腹落ちした。

1年前に3000万円だったときは本質的価値が0円、時間的価値が50万、半年後に同じく3000万円なら本質的価値0円、時間的価値25万という理解で合ってますか?

師匠

完全に合っています。株価が一切動いていないのに、時間が過ぎただけで権利の値段が50万円→25万円に目減りした、という理解で正確です。

◆ ◆ ◆

031度目の訂正:減り方は一定ではなかった

満期が近づくにつれて減り方が急になるのは理解しましたが、残り1年→半年で25万円減、残り半年→満期で同じ25万円減、この例は同じ期間で同じ減り方ですよね?なので実際は残り半年だと30万みたいなイメージでしょうか。

つまずいたポイント(1度目の訂正) 直前に「同じ6ヶ月の経過で同じ25万円ずつ減る」という例を出していたが、これは不正確だった。正しくは「満期までの残り期間の平方根に比例」して時間的価値が減るため、最初はゆるやかに、満期直前ほど急激に減るカーブになる。自分の出した数字の矛盾に気づいて質問を返してきたのは弟子の方で、講師側が訂正する形になった。
残り期間プレミアム(時間的価値)その期間での減少額
12ヶ月50万円
9ヶ月43万円7万円
6ヶ月35万円8万円
3ヶ月25万円10万円
1ヶ月12万円13万円
満期0円12万円

訂正後の表を見て気づいたのは、「残り半年で30万円くらい」という自分の直感が、理論値(35万円)にかなり近かったこと。数字は間違えたが、感覚は当たっていた。

042度目の訂正:「個人投資家に有利」の本当の理由

長期で持つと個人投資家に有利=ファンドマネージャーは3ヶ月ごとに成果を出さないといけないので複数年後に上がる銘柄が持ちにくいのと同義ですか?

師匠

LEAPSが個人投資家に有利な理由は2つあります。①タイムディケイの構造(緩やかにしか減らないゾーンに長くとどまれる)②あなたが言う時間的な余裕の話。両方とも独立したメリットです。

これがなぜ個人投資家にとって有利なんですか?この理由ならプロのファンドマネージャーもやればよいのでは?プロがやれない理由は②の理由では?

つまずいたポイント(2度目の訂正) 「①も個人投資家に有利な理由」として説明していたが、これは誤りだった。①(タイムディケイが緩やかなゾーンにとどまれること)は、LEAPSという商品を使う人全員に共通のメリットであり、個人投資家固有の優位性ではない。「個人投資家に有利」の本質は②のみ。ここも弟子の指摘の方が正確で、講師側が整理し直す形になった。
なぜプロはLEAPSを使いにくいのか
  • 評価サイクルの制約:四半期・年次の成績で評価されるため、含み損の期間があると説明責任を問われる
  • 運用規模の制約:LEAPSは出来高が限られ、大規模資金だと市場への価格インパクトが大きすぎる
  • 出資者への説明責任:個人は自分の判断だけで2年待てるが、プロは他人のお金を預かっている

「LEAPSが個人投資家に有利」なのは、商品自体の性質というより、短期的な結果を求められない立場だからこそ、その性質を最大限に使いこなせる、という結論に落ち着いた。

DAY2 まとめ
  • プレミアムは「本質的価値」と「時間的価値」の合計。時間的価値は満期に近づくほど自動的に減っていく
  • 値下がりリスクは買い手にとってノーリスク。プレミアムは「得する可能性」の分だけについている
  • 時間的価値の減少カーブは一定ではなく、満期直前ほど急激に加速する(残り期間の平方根に比例)
  • 「LEAPSが個人投資家に有利」なのは商品の性質そのものではなく、四半期評価や運用規模の制約から自由な「立場」にある

※本記事は個人の学習記録であり、特定銘柄・商品の売買を推奨するものではありません。数値例はすべて理解のための単純化されたイメージであり、実際のオプション価格とは異なります。

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