生前整理のやることリスト|50代、友人の親の死で「うちもいつか」と考えて書き出した8つのこと

PR|この記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれています。

50歳になった年、友人のお父さんが亡くなりました。

友人のお父さんは、その前の年から施設に入っていました。亡くなったあと、友人の家では兄弟3人で相続の話もしていたそうです。

その話を聞いて、最初に浮かんだのはこの一言でした。

うちもいつ同じことが起こるかわからない。

私の実家にも、親がいて、家があって、庭があって、お墓があります。実家を継いで持ち続けたら、外壁は傷むし、害虫も湧く。庭の赤松の手入れも、墓の掃除もある。何をどこまで自分でやって、どこからを人に任せるのか。任せるなら、親戚なのか、地元の友人なのか、地元の業者なのか。

考えたくないけど、考えなければならないことがいっぱいすぎる。 正直、それが今の気持ちです。

だから、頭の中のもやもやを、いったん全部書き出すことにしました。この記事は、50代の私が「親が元気なうちに」やっておくことを調べて、リストにまとめた記録です。


生前整理のやることリストとは?親が元気なうちにしかできないことは何か

生前整理のやることリストとは、親が元気なうちに「本人にしか答えられないこと」を聞き、「あとで家族が困ること」を減らしておくための一覧です。 物の片付けだけではありません。親の希望、お金のありか、実家と土地の名義、お墓、そして亡くなったあとの期限まで含みます。急ぐべきは、親の口からしか聞けないことです。

「生前整理」と聞くと、私は最初、押し入れの片付けを思い浮かべました。でも調べていくと、物の片付けは全体のほんの一部でした。

私が書き出したやることは、大きく分けて次の8つです。

  1. 親本人に、これからの希望を聞いておく
  2. お金と財産の「ありか」を確かめておく
  3. 実家と土地の名義を確かめておく
  4. お墓をどうするか、親の考えを聞いておく
  5. 親の判断力が落ちる前に、備えを相談しておく
  6. 亡くなったあとの手続きの期限を知っておく
  7. きょうだいで、実家とお金の分担を話しておく
  8. 何を自分でやり、どこから人に任せるかの線を引いておく

このうち、親が元気なうちにしかできないのは1・4・5です。お金の手続きや名義の確認は、あとからでも調べられます。でも、親が実家やお墓をどうしてほしいと思っているかは、本人に聞くしかありません。


なぜ50代で生前整理を考えはじめたのか?

きっかけは、友人のお父さんの死でした。自分の親と実家に、同じことがいつ起きてもおかしくないと気づいたからです。 50歳になると、周りで親を見送る話が急に増えます。他人ごとだと思っていた相続や実家の片付けが、自分の番として見えてきました。準備を始めるのに、早すぎることはないと感じています。

友人のお父さんは、亡くなる前の年から施設に入っていました。つまり、亡くなる前から、すでに「親が家にいない時間」が始まっていたことになります。

それを聞いて、私は自分の実家のことを考えました。

  • 親が施設に入ったら、実家は誰が見るのか
  • 親が亡くなって実家を継いだら、住まない家をどう守るのか
  • 妹とどう分けるのか

考え始めると、次々に出てきます。外壁の塗り直し、ネズミやハクビシン、庭の赤松の剪定、墓の掃除。どれも、今は親がやっているか、誰かに頼んでいることです。

親がいなくなったら、それが全部こちらに回ってきます。 しかも、離れて暮らしていると、気づいたときには傷みが進んでいることもありえます。

だから、まだ親が元気な今のうちに、聞けることを聞き、決められることを決めておきたい。それが、私が生前整理のやることリストを作った理由です。


生前整理でまず親に聞いておくことは?本人にしか答えられない4つの質問

最初に聞くのは、実家・お墓・介護・最期の希望の4つです。どれも親本人にしか答えられず、亡くなったあとでは確かめようがありません。 お金の話から入ると身構えられやすいので、「もしものとき、どうしてほしい?」という希望の話から始めるのがよさそうです。答えはエンディングノートに書いてもらうと残ります。

私が親に聞いておきたいことは、次の4つです。

聞くこと 例
実家をどうしたいか 残してほしい/売ってよい/誰かに住んでほしい
お墓をどうしたいか 今のお墓を守る/墓じまいして永代供養にする
介護が必要になったら 家で暮らしたい/施設に入ってもよい/費用はどこから出すか
最期と葬儀の希望 延命治療をどうするか/葬儀の規模/知らせてほしい人

聞き方で気をつけたいこと

いきなり「財産はいくらあるの?」と聞くと、親は身構えてしまいます。調べた範囲では、病気や介護、お墓の話から入るとよい、という声が多くありました。

私なら、友人のお父さんの話をきっかけにすると思います。「友人の家で、こういうことがあったらしい。うちはどうしたい?」。人の話から入ると、自分の話にしやすいはずです。

答えは紙に残してもらう

聞いた答えは、口約束のままだと、きょうだいの間で食い違います。エンディングノートに親自身の字で書いてもらえば、離れて暮らす妹とも同じものを見られます。

エンディングノートには法的な力はありません。でも、親の気持ちを家族で共有する道具としては十分です。財産の分け方まで決めたい場合は、遺言書が必要になります。


お金と財産の「ありか」は、生前整理でどこまで確かめればいい?

金額まで聞かなくても大丈夫です。まず「どこに何があるか」の場所と種類が分かれば十分です。 銀行・証券の口座、保険、年金、借金やローンの有無、そして通帳や印鑑、権利証の置き場所。これが分からないと、亡くなったあとに家族が一から探すことになります。特に借金の有無は、あとの期限に関わります。

確かめておきたいものを、リストにしました。

  • 銀行・証券の口座:どこの銀行・証券会社に口座があるか
  • 保険:生命保険・医療保険・火災保険の会社と、証書の置き場所
  • 年金:受け取っている年金の種類
  • 借金・ローン:住宅ローンやカードの借入れが残っていないか
  • 通帳・印鑑・権利証:家のどこにしまってあるか
  • ネットの口座や契約:ネット銀行、サブスク(月額で払うサービス)の有無

借金の有無だけは、早めに知っておきたい理由

借金のほうが財産より多い場合、相続人は「相続放棄」という手続きで、財産も借金もまとめて受け取らないことができます。

ただし、この手続きには期限があります。自分のために相続が始まったことを知ったときから、3か月以内です※1。

3か月は、葬儀や片付けをしているとあっという間です。借金があるかどうかを生前に知っておけば、この3か月で慌てずに済みます。

もう1つ、気をつけたいことがあります。亡くなった親の財産を売ったり処分したりすると、相続を受け入れたとみなされて、あとから放棄できなくなることがあります。遺品整理を急ぐ前に、借金の有無を確かめる。この順番は覚えておきたいところです。


実家と土地のことは、生前整理で何を決めておく?

名義が誰になっているかを確かめ、相続したあと誰が持つかをきょうだいで話しておくことです。 2024年4月から、相続で不動産を取得したら、知った日から3年以内に名義を変える登記が義務になりました。さらに、住まない家を放っておくと、固定資産税の軽減が外れることもあります。「とりあえず放置」が通用しなくなっています。

名義変更(相続登記)は3年以内が義務

法務省のQ&Aには、こう書いてあります※4。

  • 相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になった
  • 正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性がある

過料とは、行政から科されるお金の罰のことです。

私がまず確かめたいのは、実家の名義が今どうなっているかです。もし祖父母の名義のまま残っていたら、親が元気なうちに整えておかないと、あとで手続きがとても複雑になります。

住まない実家を放っておくと、税金が上がることがある

もう1つ知ったのが、空き家の決まりの変化です。

土地の上に家が建っていると、その土地の固定資産税は軽くなる特例があります。ところが、2023年12月の空家法の改正で、手入れが行き届かず「放っておくと危なくなるおそれがある空き家(管理不全空家)」も、市区町村から勧告を受けるとこの特例が外れることになりました※5。

西宮市のページによると、一般的な住宅でこの特例が外れると、土地の固定資産税が3〜4倍に増えるそうです。

つまり、実家を継いで住まないまま、外壁も庭も放っておくと、税金のほうから困ったことになります。「持ち続けるなら、守る手間とお金がかかる」。これを妹とも共有しておきたいと思いました。


親が判断できなくなる前に、生前整理で備えることは?

親の判断力が落ちると、本人の意思を確かめられず、実家の売却やお金の手続きが進めにくくなることがあります。 その前に使える仕組みとして、親が元気なうちに「将来この人に任せる」と決めておく任意後見などがあります。どれを選ぶかは家族の事情で変わるので、司法書士や弁護士に相談するのが確実です。

ここは、私がいちばん「知らなかった」ところでした。

親が認知症などで判断が難しくなると、親名義の家を売ったり、親の口座から施設の費用を払ったりするときに、手続きが一気に難しくなることがあります。本人の意思が確かめられないからです。

そのための仕組みとして、「成年後見制度」があります※6。大きく分けると、

  • 任意後見:親が元気なうちに、将来の支援をお願いする人と内容を、本人が自分で決めて契約しておく
  • 法定後見:判断力が落ちたあとに、家庭裁判所が支援する人を選ぶ

の2つです。

親が元気なうちに選べるのは、任意後見のほうです。ほかにも、家族に財産の管理を任せる契約の方法があると聞きます。どれが合うかは、家族構成や財産によって変わります。

この部分は、私が自分で判断していい範囲を超えています。 だから、やることリストには「司法書士か弁護士に相談する」と書いておくことにしました。


亡くなったあとの手続きの期限は?生前整理で先に知っておきたい日数

亡くなったあとの手続きには、3か月・4か月・10か月・3年という期限があります。 どれも、葬儀や片付けと同時に進めなければなりません。生前に期限を知っておくだけで、慌て方がずいぶん変わります。親の財産の全体を知っておくと、どの手続きが必要かも先に見えてきます。

私が調べた期限を、表にしました。

期限 手続き どんなときに必要か
3か月以内 相続放棄※1 借金のほうが多いときなど、相続しないと決めるとき
4か月以内 準確定申告※2 亡くなった親のその年の所得税の申告が必要なとき
10か月以内 相続税の申告と納税※3 財産が一定の額を超えるとき
3年以内 相続登記※4 実家などの不動産を相続したとき

準確定申告とは、亡くなった人に代わって、相続人がその年の所得税の申告をすることです。国税庁のページには、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をする、と書いてあります※2。

相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です※3。ただし、相続税がかかるのは財産が一定の額を超える場合だけです。

税金の計算や、自分の家が相続税の対象になるかどうかは、税理士に確認するのが確実です。 ここでは、期限があることを知っておく、というところまでにしておきます。


生前整理で何を自分でやり、どこから人に任せる?線引きの表(独自)

全部を自分でやろうとすると続きません。「気づく役」は家族、「手を動かす役」は地元の人や業者、と分けると考えやすくなります。 離れて暮らしているなら、月に1回でも見に行ってくれる親戚や地元の友人がいると心強いものです。外壁や給湯器、庭の松のように専門の技術が要るものは、見積もりを取って業者に頼むのが現実的です。

これは、私がいちばん悩んでいるところです。親が元気なうちに、妹とも話し合っておきたいと思っています。

いったん、私なりに線を引いてみました。

やること 自分・きょうだい 親戚・地元の友人 地元の業者・代行
風通し・郵便物・見回り 帰省のとき 月1回お願いできると心強い 空き家の管理代行
庭木・赤松の剪定 低い木なら — 松は専門の植木屋
墓の掃除 お盆・お彼岸 — 墓掃除の代行
外壁・給湯器・ネズミなど 異変に気づく役 気づいたら連絡してもらう 見積もりは複数社から
片付け・遺品整理 思い出の品の仕分け — 大きな家具や量が多いもの

妹と決めておきたいこと

友人の家は、兄弟3人で相続の話をしていたと聞きました。うちは、私と妹の2人です。妹は遠方に嫁いでいて、帰ってくるのは数年に1回。盆と正月に帰っているのは私です。いずれ、うちでも同じ話になります。

  • 実家を誰が持つか。持たないなら、売るのか、貸すのか
  • 持つなら、管理のお金を誰がどれだけ出すか
  • 帰省や見回りを、誰がどのくらいの間隔でやるか
  • 業者に頼むとき、誰が窓口になるか

親が元気なうちなら、親の希望を聞いたうえで、この話ができます。亡くなったあとだと、きょうだいそれぞれの事情が先に立って、話がまとまりにくくなりがちです。

まとめ:生前整理のやることリスト

最後に、今回のやることリストをもう一度まとめます。

  1. 親に、実家・お墓・介護・最期の希望を聞き、紙に残してもらう
  2. お金と財産の「ありか」を確かめる。借金の有無は特に早めに
  3. 実家の名義を確かめる。相続登記は3年以内が義務
  4. 住まない実家を守る手間とお金を、きょうだいで共有する
  5. 親の判断力が落ちる前の備えを、専門家に相談する
  6. 亡くなったあとの期限(3か月・4か月・10か月・3年)を知っておく
  7. きょうだいで、実家の持ち方と分担を話しておく
  8. 自分でやること、人に任せることの線を引く

書き出してみると、それでも多いと感じます。でも、頭の中で「いっぱいすぎる」ともやもやしていたときより、何から手をつければいいかは見えてきました。

次からは、このリストの1つずつを、もう少し詳しく調べて書いていきます。墓じまいにいくらかかるのか、庭の赤松はいつ誰に切ってもらうのか。私自身が知りたいことから順番に、です。

※この記事は、筆者が自分の実家と親について調べた記録です。相続・税金・登記・後見など法律や税務に関わることは、司法書士・税理士・弁護士などの専門家に確認してください。


出典

タイトルとURLをコピーしました