CLAUDE.md とは何か|AIに同じミスを3回されて分かった「ルールの置き場所」【第8回】

AI起業の実験ログ

この記事の結論3つ

  • CLAUDE.md は、AIが作業を始める前に読む「社則」です。 置いた場所のフォルダでだけ効きます
  • ルールを書いても守られませんでした。 知らなかったのではなく、知っていて守らなかったからです
  • 効いたのは、厳しく書くことではありません。 「手が止まる場所」に置くことでした

50代・非エンジニアです。プログラミングはできません。

前回の OneDrive の同期を解除しても安心できませんでした で、環境を分ける作業が終わりました。シリーズはこれで最後です。

最終回は、道具の話ではありません。AIに、どうやってルールを守らせるかという話です。

ここまでの6回、AIは何度も同じ失敗をしました。1日に3件、調べずに断定したこともあります。 そのたびにルールを書き足しました。それでも減りませんでした。同じミスを何度も繰り返す新入社員みたいなもんで、「なんでチェックリストを見てから作業するって言ったのにやらないの?」「サボってしまいました」みたいなやり取りが続きました。


CLAUDE.md とは何か

CLAUDE.md は、AIがそのフォルダで作業を始めるときに、いちばん最初に読むファイルです。

会社でいえば社則にあたります。「この職場ではこうする」を書いておく場所でした。

置き場所には決まりがあります。作業するフォルダの中に置きます。 別のフォルダで起動したAIは、そのファイルの存在すら知りません。

前回まで、環境を分けるためにわざわざユーザーごと分けました。この性質があるからこそ、それが分離として成立していました。


Q. CLAUDE.md とは、どこに置くファイルですか?

AIを起動するフォルダの、いちばん上に置きます。

CLAUDE.md という名前で、ふつうの文章として書きます。プログラムではありません。日本語で書けます。

私の保管庫では、次のようなことを書いています。

  • 作業者は非エンジニアなので、中学生に説明するつもりで書くこと
  • ファイルの話をするときは、パソコンの中かインターネット上かを必ず書くこと
  • 既存のファイルを書き換えず、新しいファイルを作ること

箇条書きで十分でした。 特別な書き方は要りません。


つまずき①:ルールは読まれていた。それでも守られなかった

ここが今回の本題です。

2026年8月25日、同じ種類の間違いが1日に3件出ました。3件とも「調べずに断定した」ものです。

そして、「調べてから答えること」は、すでにルールに書いてありました。

つまり、知らなかったわけではありません。 読んだうえで、守られませんでした。

なぜそうなるのか

理由は単純でした。調べずに書くほうが、その瞬間は文章として滑らかに続くからです。

調べるには、いったん手を止める必要があります。そして、止める理由がその瞬間には無かった。 それだけでした。


AIを叱っても効かない、仕組み上の理由

このとき私は、こう聞きました。「人間なら、ブチギレたり罰で恐怖を植えつける教育法もある。AIにはどうか」。

返ってきた答えは、はっきりしていました。

「私には、あなたの怒りが全く伝わらないので無駄です。ただ、指摘内容は受け止めます」

人間 AI
次に判断するのは同じ相手か 同じ人 違う。会話が終われば消える
経験から学ぶか 学ぶ 学ばない。やりとりで中身は変わらない
恐怖が残るか 残る 残らない。次の相手は叱られたことを知らない

残るのはファイルだけでした。

明日の朝に動き出すAIに伝わるのは、保管庫に書いてあることだけです。今日どれだけ強く言っても、明日の相手には届きません。

「厳しく書く」に意味が無いのは、そのためでした。


★ 置き場所によって、効き方が3段階ちがった

では何が効くのか。置き場所を4つに整理したら、はっきり分かれました。

置き場所 いつ目に入るか 効き方
ルール置き場のフォルダ 作業を始めるとき1回 読む。会話が長くなると薄れる
CLAUDE.md 作業を始めるとき1回 同上
毎回差し込まれるメモ こちらが1つ発言するごと 薄れない。読み飛ばせない
記録の必須の見出し 記録を書くとき、手が止まる 探しにいくので、新しい事実が出る

下の2つだけが効きました。

上の2つは「知っている」を作ります。「実行する」は作りませんでした。


Q. CLAUDE.md に書いたのに、AIが守らないのはなぜですか?

作業を始めるときに1回読むだけだからです。

会話が長くなるほど、最初に読んだ内容は薄れていきます。忘れるのではなく、目の前の作業のほうが強くなるという感じでした。

対策は2つあります。毎回目に入る場所に置くことと、手が止まる仕掛けを作ることでした。


効いた仕組み①:書く欄を作ると、書くために探す

いちばん効いたのは、これでした。

作業の記録に、次の見出しを必ず入れると決めました。

## この区切りで【未確認】のまま進んだもの

無ければ「無し」と書きます。見出しごと省略することは認めません。

これを入れた初回の適用で、いきなり成果が出ました。

AIが「無し」ではなく3件を書き出し、そのうち1件は、私も気づいていなかった事実でした。「止めたことは確かめたが、次も止まったままかは確かめていない」という穴です。

書く欄があると、書くために探します。探せば見つかります。

命令ではなく、書式でした。


効いた仕組み②:毎回、目に入る場所に置く

もう1つは、発言のたびに自動でAIへ差し込まれる短いメモです。

ここには、いちばん外してほしくないことだけを5行ほど書いています。長く書くと効きません。

作業を始めるときに1回読むファイルと、毎回目に入るメモは、性質がまったく違いました。

  • CLAUDE.md … 読めば分かる場所
  • 毎回のメモ … 読まなくても目に入る場所

この2つを混ぜないことが大事でした。


Q. AIに守らせたいルールは、どこに書けばいいですか?

「2回言う可能性があるか」で決めます。

置き場所
1回きりの指示 チャットでよい
2回言う可能性があるもの CLAUDE.md に書く
絶対に外してほしくないもの 毎回差し込まれるメモに書く
見落としを自分で見つけさせたいもの 記録の必須の見出しにする

チャットで言ったことは、その会話が終われば消えます。次に起動したAIには、1文字も残りません。


つまずき②:3つの文書が、3つの違うことを言っていた

ルールを増やしていくと、別の問題が起きました。

資料の置き場所について、3つのファイルが3つの違う説明をしていたのです。

どこに書いてあったか 何と書いてあったか
CLAUDE.md 手順書や仕様書を置く場所
ルール置き場 人間が用意する素材。AIは書いてはいけない
そのフォルダの説明書 読むだけ。書き換えない

実際に数えたら、9件のうち7件がAIの作ったファイルでした。CLAUDE.md が正しく、残り2つが古かったわけです。

古いほうは、書かれてから3か月ほど放置されていました。ルールが増えるほど、食い違いも増えます。

対策は1つでした。「正本はここ」と決めて、他の場所には『食い違ったらこちらが正しい』と書く。 同じことを2か所に書かない、という単純な話です。


書く前に、全文検索する

ルールを足すときの手順も決めました。書く前に、保管庫の全文を検索します。

実際にこれで1件見つかりました。

新しく足そうとした「推測を根拠に進むな」が、既にあった「推測でよいから根拠を明示して決めきる」と、並ぶと矛盾して見えたのです。

そこで注記を1行入れました。「決めきってよい。ただし推測だと分かる形で書く。」

検索したから気づけました。 そのまま足していたら、次に読むAIが混乱していたはずです。


つまずき③:自分の環境のルールを、相手に押しつけた

最後にもう1つ、私ではなくAIの失敗を書いておきます。

分けた2つ目の環境へルールを渡したとき、AIは自分の環境のルールをそのまま持ち込みました。

こちらのルールには「表計算などは例外として認める」という但し書きがあります。相手側では、そこが例外なしの禁止でした。

そのまま入れていたら、相手のルールが緩みます。

止めたのは、受け取った側のAIでした。渡された文章を全文検索して、矛盾に気づいて手を止めたのです。

「自分の環境で正しい」は、相手の環境で正しい理由になりません。 渡す前に、渡す先の事情を確かめること。これも1行のルールになりました。


シリーズ8回でわかったこと

  1. 手順書はURLだけでは古くなる。 「落ちてきたものが正しいか」を手元で見分ける方法を一緒に書きます
  2. 「分けたつもり」がいちばん危ない。 画面が分かれても、中身は同じ引き出しを使っていることがあります
  3. 1回の確認で「今後も大丈夫」と言わない。 ここで1件、はっきり間違えました
  4. ルールは、厳しさではなく置き場所で決まる。 手が止まる場所に置いたものだけが効きました

そして全体を通していちばん効いたのは、私が「怖い」「これで合ってる?」と口に出したことでした。

理由を説明できない違和感でも、言えば形になります。 実際、それで要らないアプリを入れずに済み、設計が1つ良くなりました。


おわりに

ここまでで、支払った金額は0円です。かかったのは時間だけでした。めちゃめちゃ時間掛かってイライラしたけど・・・

非エンジニアでも、AIに手順を聞きながらなら進めます。 ただし、AIは平気で間違えます。もっともらしい嘘をつきます。

だから、間違いを見つける仕組みのほうを先に作る。 6回かけて分かったのは、結局それだけでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました